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内容説明
十九世紀,南北戦争以前のアメリカ南部.気ままに生きる少年ハックルベリー・フィンは,トム・ソーヤーとの冒険のあとで大金を手に入れたものの,未亡人に引き取られてかたくるしい生活を送っていた.そこへ金を目当てに飲んだくれの父親があらわれ,ハックは黒人奴隷のジムとともに,筏でミシシッピ川をくだる冒険の旅に出る.初の少年文庫化.
目次
ハックルベリー・フィンの冒険┴訳者あとがき┴カバー画 丹地陽子┴さし絵 E・W・ケンブル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yumiha
44
下巻でもハックは逃亡奴隷ジムのことで悩んでいる。最後には地獄に落ちることを覚悟して、ペテン師に40ドルで売られてしまったジムを助けようと決意したのだが…。そして偶然(神様のご都合主義?)登場したトム・ソーヤーと共にジム救出作戦を練り準備する。が、トムの面倒で難儀でうっとおしい作戦にハックは振り回される。ハックの簡単な救出方法でエエちゅうのに、トムは何を考えているんだ?そのわけが明かされるラスト、ポリーおばさん(まで登場)の「生皮を引っ剝がさなきゃ」の気持ち、同感ですわ。せめて蹴り飛ばしてやりたい。2023/01/05
mntmt
27
想像以上に良かった。読んで良かった。読まずに死ねない、素晴らしい本だ。いろいろ翻訳が出てると思うけど、あえて、千葉茂樹さんの訳で読みました。2018/02/13
eriko*
19
わたしもまた少年に生まれ直したい!と思わせるお話。 今と比べて、良いことばかりじゃないのは100も承知だけれど、冒険に満ちていたワクワクの時代背景も魅力的。2019/02/04
しんすけ
16
上巻の後半から、ハックたちは詐欺師と旅を共にしている。ハックもジムも自分たちを逃亡者と感じているから拒否できずにいる。この公爵と王様と名乗る二人を、ぼくはは好きになれない。しかし下巻では詐欺師たちは悲惨な最期を迎える。騙された素朴な住民たちからリンチを受けることになるのだ。この時ハックは次のような感想を漏らす。「観ているだけで気分が悪くなる。あわれな悪党たちのことがかわいそうになってしまった。怒りなんて、もうぜんぜんわいてこない。ほんとうに恐ろしい姿だった。人間っていうのは、あそこまで残酷になれるものだ」2020/02/27
プレイメーカー
12
ブルーハーツの「1000のバイオリン」という歌の中で「ハックルベリーに会いに行く~・・」いう歌詞があり、それで本書を知ったのがきっかけで、新しい訳が出るたびに読んでいる。世間的に正しいとされることや、神に背いてまで自分の良心に従い、ジムを助けることを選択するハックには拍手を送りたい。「地獄に行ってやる」と。この場面があるから何回も読んでしまうのだなと再確認した。ハックルベリー・フィンには人として大事なものを教わった気がする。2018/04/19