出版社内容情報
【内容紹介】
突然変異と自然淘汰説により理論武装された正統派進化論に対し、著者は名著『生物の世界』以来、生物の進化とは種社会を単位とした生物の世界の歴史的発展であるとの立場から、一貫して疑義を提起している。豊富な踏査探検と試練の上にはじめて構築された今西進化論は正統派進化論を凌駕する今世紀最大の理論の1つである。進化論はあらゆる問題にまたがる本質的認識であるがゆえに、本書に要約された今西進化論こそ必読の文献である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カザリ
31
内容は濃いのだろうが、薄すぎて(まとまりすぎて)何言ってるのかわからないなりに、ずっと好きなので、全集買って勉強します。こうご期待。。2018/02/18
手押し戦車
27
光を認識できるレベルからおぼろげながら形を認識できるようになり、相手の姿を認識できるようになる。光を感じて目が出来るまで地球レベルで考えるとなきに等しい速さで完成している。紙をコピーするのは出来るけど、コピー機が無いと同じ物を複製するのは難しい。生命をコピーする機械を作るととなると部品、部品を作る材料となる。進化の中で完全自己複製は存在し無い。生物は世界中を歩き回って原材料となる食料を食べて同じ型の生物を作れと命令に従って動いている。生命はDNAを自己複製を行う。DNAがコピーするために作られた機械!2015/06/26
磁石
21
生物というものは本来、保守的なもの。生活の場からそこを共有する他種の存在を含めて、全てを考慮に入れなければならない。故に、大きな変化は起こりえない/起こすことができない。生活環境を移すか外来種が来るしなければ変える必要がない。個体には、小さな変化に対応できるだけの振り幅が持たされていて、大抵の事件はソレで解決できてしまう。突然変異/自然淘汰/適者生存は個体の狭い範囲のことであって、種そのものにまで影響を与える力はない。ソレがあるように見えてしまうのは、人の手が入っているから/観測者の誤解による所が大きい2016/03/01
キョートマン
14
言われてみればダーウィンの正統派進化論って疑問を感ずる部分あるな。個々がそれぞれ進化するのではなく、種が全体として進化するって確かにありそう2022/01/01
ジョニジョニ
8
いろんなところで話には聞いていた、今西さん。ようやく本人の著作を読めて、前衛的な思想に惹かれるひとが多かったんだろうなぁー、と思いました。ダーウィンがいった、「進化」とは何か。それはダーウィンその人が、よくわからないといっている。それを後人があれこれいっている、その中の一説なんだなぁと感じました。人間とは?動物とは?そもそも、いのちとは?なんて誰しも考えるだろうし、たぶん本当のことはわからない。でもわかることだけでも、調べてみることは大事だと思うんですよね…。2024/04/27