内容説明
本当の「魔女」誰――?
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して――。
美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ「赤い記憶」の秘密。
夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?
鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナルピーチ
196
綾辻先生の初期の名作。名門女学園を舞台に鮮血と狂気に彩られた学園ミステリ。主人公の“冴子”の周りで次々と起きる不可解な殺人事件と“魔女”の存在。事件の謎を深めながら、彼女の過去の記憶へとリンクする。繰り返される様に描かれるその記憶と、表題にもなっている“緋色”が意味する事とは?不穏な世界観を漂わせるその描写方法は、まさに綾辻作品の真髄。終盤での生徒達が暴徒とかしていく集団心理に恐怖を覚えた。読了後も「きよしこの夜」「メリークリスマス」この2つのワードが耳元でずっと囁き続けているのはなぜだろう。2021/11/21
中原れい
110
コンビニで入手、よい時代になったwなんだか戦前の少女小説のようなノリ…と思ったら87年仕上がりとか、読めてよかったです。よむごとに心に浮かぶ横溝、そしてだいたい予想通り、若向きのサスペンスドラマ味もある作品と感じましたが、とても楽しかったです。身内におかしくなった人がいても、関係なく強く生きられるものですよね。2023/12/15
キナコ
74
女子高内で起こる連続殺人。ヒロインが転校してから起こる謎。女子同士の陰湿なやりとりや、集団ヒステリーの怖さが分かる。各登場人物の過去もかかれているが、皆人に言わないだけで様々な事情があるんだよなぁ。管理された思春期の子供たちの暴走、ヒロインの心のなかでの葛藤。囁きというかたちで語られるヒロインの心情が、最後まで印象的。初期作品ではあるがとても楽しめた。2023/08/15
ままこ
64
綾辻さんの初期の作品。囁きシリーズ1作目。舞台は昭和末期の全寮制の女子高。多感な少女たちの心の奥に秘そめた欲求。歪んだ想いが狂気を生み、全てが深紅で彩られる惨劇が繰り返される。キーワードは転校生の冴子の“赤い記憶”「開かずの間」で死亡した少女が残した「魔女」という言葉の意味とは…。犯人は意外な人物だった。新装改訂版あとがきと共に楽しめるサスペンスミステリー。2024/04/30
坂城 弥生
52
閉鎖的な世界、鬱屈した感情…全体的に暗い作品でした。2021/06/15