内容説明
四万三千石・土屋家の世嗣である直俊君を密かに護れ。剣客修行は表向き。それこそが和三郎に下された真の密命だった。それゆえに江戸でも敵に襲撃され、さらには父の因縁により格上の相手から果たし合いまで挑まれて、半死半生に追い込まれてしまう。だが、許嫁の沙那や道中で出会った倉前秀之進、坂本竜馬など味方の存在が和三郎を生かし、剣を磨かせてゆく──。傑作青春時代シリーズ第三弾。
目次
第一章 江戸見参
第二章 命からがら
第三章 陰謀
第四章 反撃
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
82
和三郎江戸修行「愛憐」 3巻。越前野山土屋家と芸州浅野藩二つのお家騒動に巻き込まれる和三郎、剣、知恵、知識、世渡り、恋と成長していく姿は頼もしく微笑ましいが、登場人物が多く描写が細かく少しスッキリしない感が有りでした。2021/04/26
Mc6ρ助
13
『この人は……と呟いた。(わたしが思っていた以上に、とんでもない人なのかもしれない)平然と草餅にかぶり付いている許婚と称される男を眺めながら、敬愛とも畏怖とも驚嘆ともつかない思いを抱きながら、沙那はそうあきれていた。和三郎が草餅を食い終わるのを見て、沙那は虎屋の羊羹はあとみっつ増やしてもらって、みんなに持って帰ることにしようと結論づけた。少しすっきりした。(p285)』いや、絶対とんでもない人だと思うよ。三巻でおしまいと勘違いしていたけど四月に最終巻がでるようで、はやくそれを読んでこちらもすっきりしたい。2021/03/17
onasu
11
越前野山藩士の次男・岡和三郎は腑に落ちない密命で、表向きは剣術修行、その実は世子の護衛のために脱藩、江戸に向かうが、初巻では藩領を抜ける前に一悶着、二巻目は途次でまたして刺客に狙われるという、命がいくつあってもという筋書きだが、もう一つのお楽しみは幕末の志士たちとの邂逅(美女とも)で、この旅+邂逅を目的にあえて二巻目を読んでみればその前後も気になるというもの。 三巻目は初っ端、美女が許嫁と(それも本人から)聞かされて…、とすったもんだあった挙げ句は、寸止めの終焉。もう1巻も読まざるをえないわなあ。2023/03/13