内容説明
時は幕末。越前野山土屋家中はお家騒動の気配をはらんでいた。小身の家臣の三男坊・岡和三郎は、無駄飯食いの立場だが、剣の腕には覚えがあった。ある日、藩重役から江戸での剣術修行を命じられる。しかも脱藩して密行せよ、と。大枚の路銀をせしめ、刺客に襲われるも旅立つのだった。修行人宿に泊まりつつ江戸を目指す東海道中、若き剣客を待ち受ける運命やいかに……。傑作時代小説シリーズ幕開き。
目次
第一章 脱藩命令
第二章 風変わりな修行人
第三章 黒船来航
第四章 御油に残した面影
第五章 幻の剣聖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
84
和三郎江戸修行「脱藩」 1巻。初読みの作家さんです。越前野山藩岡家の三男坊、藩の重役から、脱藩し密行して江戸で剣術修行を命じられるが、破天荒な和三郎、臆する事も無く強かに大枚をせしめて江戸に向かう、型破りな和三郎どの様な展開なるのか楽しみです。 2021/02/12
やま
40
時は、黒船の来航で揺れる幕末。 越前野山藩土屋家四万三千石の前藩主土屋忠国と江戸屋敷に居る病弱な藩主土屋忠直との間で御家騒動が持ち上がっているかに思われる。 野山藩で小納戸役七十石の家禄の岡壮之助の三男である和三郎19才が藩重役に呼び出されて、藩に無届けで江戸へ行けと命じられる。すなわち脱藩である。一刀流をよく遣う和三郎は、江戸での剣術修業を楽しみに江戸へ向かう。が、次々に刺客が襲ってくる。和三郎は、越前野山から東海道の浜松辺りまできた。 高橋三千綱さんの本を読むのは始めてです。2026/06/29
onasu
11
幕末、黒船来航の頃、越前野山藩士の三男、岡和三郎は藩内抗争による密命を受け、江戸を目指すも早々に刺客とまみえ…。 幕末の志士とすれ違う話しは好物なもので、2年前に2巻目のみ読んでいて、前巻で坂本龍馬と出会ったとあったので折があればとしていた。 剣に覚えがある若者が各地の道場で知己を得たり、はたまた刺客と渡り合ったりというのがおもしろくない訳がないが、どうしても続きが、とはならないのは旅の目的が今一つ腹の納まりが悪いためか。 折が合えば、もう2巻、これまで出会った者との再会を楽しみに。2022/11/30
タツ フカガワ
10
越前野山藩岡家の三男坊和三郎は、ある日藩重職から剣術修行に出て、その後江戸に向かうようにと密命を受ける。それは藩主後継者争いに関わるものだった。久しぶりの三千綱さん新作。やっぱりこの人が描くキャラクターはいいなあ。渡された路銀一両にゴネて百両にするなど型破りな和三郎はじめ、旅で知り合う浪人多賀軍兵衛、本多家家中小山内辰之介もじつに魅力的です。本書はまだ旅の途中で、次巻が待たれます。2019/09/05
Mc6ρ助
9
チャンバラ小説読みの爺さまの心をくすぐる秀作なのだけど、主人公はいささか破天荒、ちゃんとビルドゥングスロマーンとなりますか、どうか。とりあえず次巻へ・・・。『「こういう御仁だ。久之助、勉強になったか」「私にはとてもかないません。今まで学んできた漢学とあまりに隔たりがあります」「そういうことだ」・・・「えーと、ここです。『子く、剛、毅、木、訥なるは仁に近し』。私は田舎者の上、くだらんことを口にし過ぎます。仁とはほど遠い未熟者です」(p269)』2021/01/30




