内容説明
すぐ読める!怪異譚四十九話が詰まった実話怪談集
黒木あるじ
黒 史郎
我妻俊樹
小原猛
小田イ輔
川奈まり子
神 薫
つくね乱蔵
冨士玉女
鷲羽大介
生死流転する怪談凶作集!
黒木あるじのもとに集いし現代実話怪談の巧者たち!書き下ろし49話が鮮烈な人気シリーズ最新作!
・通りがかりに泣き声が聞こえる〈夜泣き石〉の隠された恐怖に迫る連作…「証言」「取材」「記録」「資料」(黒木あるじ)
・怪奇現象が頻発する最凶の家とその絶望的な顛末…「台風一家」(つくね乱蔵)
・恐ろしい呪いをかけられた男性を救った怪異…「はらのなか」(小原猛)
――ほか、我妻俊樹、小田イ輔、川奈まり子、黒史郎、神薫、冨士玉女に加え〈せんだい文学塾〉代表・鷲羽大介が初参加。闇夜に轟く断末魔の叫び声があなたにも聞こえるか…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
244
この般若の面のヴィジュアルがいいですね。10人の一流作家の実話怪談オールスターズのみなさんですから文句なしの出来ですね。分量はほんの少しでもご無沙汰の方でもこのアンソロジーで健在ぶりが確認できますね。今回も私の好みで2つ選びました。『ブンブン』我妻俊樹:ある晩、飲み屋で他の客と大喧嘩して店を追い出されたイシイさんが近くの公園のベンチに座っていると警官が近づいてきて「ブンブン、ブンブン」と意味不明の言葉を彼女に告げて公園を出て行った。彼女は小学五年生の時につきあっていた同じクラスのKくんとの事を思い出した。2022/04/27
HANA
68
実話怪談アンソロジー。毎度の事ながら黒木あるじ編だけあって、各人が特色を出したいい仕事してるなあ。冒頭のつくね乱蔵の「実験」等、特にこの著者の特色ある嫌感が最後の一行から滲み出しているし。他にもプツリと途切れて虚空に放り出されたような読後感を覚える我妻俊樹や、相変わらず独特の地歩を築く川奈まり子に沖縄怪談の小原猛と名だたる書き手が勢ぞろいして面白くないわけがない。特に地元の怪談を考証した著者、実話怪談かというと首を傾げてしまうが、個人的にはこういう考証怪談大好きです。各人の良い面が出たアンソロジーでした。2020/12/04
坂城 弥生
54
「リフォーム」は怖さもあるけど、寂しかったのかな?というちょっと微笑ましさも感じた。 「だるま」何処かに本当が混ざってるかも…というのが怖い。 「生きているものと生きていないもの」怪談の本質的な怖さかも。 「はらのなか」よく考えたらちょっといい話かも。と思う。 「福の神」うまい話は転がっていない。という教訓もあるかな。 あと、黒木あるじさんのは話が分かれていたけど繋がっていて因縁のようなものを感じさせる怖さだった。2020/12/09
あたびー
36
10名の実話怪談作家によるアンソロジー。玉石混交ではあるが、1名につき1話以上は良作があり、お得です。神薫さんの「だるま」は中でも厭さと不気味さで断トツに思われる。つくね乱蔵さん「リフォーム」も、絶望的なシチュエーションの中に何処か静謐で悲しい美しさがあるようで好き。小原猛さん「トービーラー」はGの話ですよ。沖縄のGはデカイんですってね。そんなのが大挙して…怖いですね、恐ろしいですね💦小田イ輔さん「きつねのせい」は故郷の言葉で語られているので、親類のおじさんが語っているようで懐かしい感じがした。2025/01/09
澤水月
15
ハズレが無い安心のアンソロ、今回特に「実話怪談」枠超えた名著として勧められる。某氏「私を祟っていた女」「心あたり」は書き手本人の話題でゾクリ。琉球怪談の泰斗、小原猛が沖縄以外での新興宗教絡む恐怖譚綴る「はらのなか」がかなりの不気味さで筆力感じる(他の琉球物も◎)。某氏の「○○が音もなく折れた」話、すごくイヤ。まとめ役黒木あるじウンマイなー。本当に全体に粒揃いでコロナ禍を感じさせない書物になっており凄い2021/01/17