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内容説明
「君の魂のゴミタメのなかにしか荒野は見いだされないことを、君は知っているのか?」ぼくの内なる戦場、ロマン・ロラン論、関西
学院大学での演説、ロビンソン宣言、石井輝男やゴダールなどの映画論。また演劇論から賭博論まで、時代を抉り対峙した批評やエッセイを収録。反時代的な著作の初文庫化。〈解説〉宇野亞喜良
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
13
寺山修司の雑文集。知的でありながらアウトローな感じが好き。解説のイラストレーターの宇野亞喜良を知れたのも収穫でした。2024/05/19
uburoi
5
寺山の本がちょいちょい復刊されて、いまだにその発言は現役という感を強くした。さすがに時代性を感じる内容ではあるのだが、本書の刊行時、安倍晋三はまだピンピンしていた筈だがp100に「万人のエロスの中で倒された宰相は、万人の幻想の中で息を吹き返さねばならない。政治から詩を省くと、やがては、その詩によって政治が報復されることになるにちがいないのである」とあってハッとする。その他、勝新太郎のそっくりさんのことを書いた時、まだ黒澤映画の影武者騒動は起きていなかったかと思う。2022/11/23
ライム
2
著者は問う、こんなに世の中が波瀾万丈なのに、その上まだ演劇が必要な理由。大学闘争・ベトナム戦争・沖縄・安保と倒錯の時代に、虚構は容易く見い出されるが真に劇的なるものは?現実の中から虚構を見い出そうとしたピストル少年は、現実ではただの犯罪者だし、母親捜しの目的でボクサーになり、殴られる姿をTVに流した男も、泣かせるが賢い生き方とは言えない。解は「現実に裏切られた者達が、虚構の中に幸福論を構築しようとする劇的想像力」の所かな。想像力こそが平和に価値を与える。2024/02/11
Haruki Nagasaki
1
こちらは、書店で題名に魅力を感じ手に取りました。昭和中期の作品ですが、語られている課題は今に通ずるものが多いと感じます。また、戦後20年か30年とあり、背景としても戦争を知らない世代への思いを強く感じます。「日本人は想像力に乏しい」という発言があります。このご時世には、強く考えさせられる言葉です。結局、なんでもかんでも「真実を見せる」ことにこだわり過ぎているのかもしれません。日本に限らないことですが…2020/10/08
Ex libris 毒餃子
1
時代的な論文が多かったですが、スポーツ、映画、競馬の論文はやっぱり良かったですね。2020/10/18