ちくま新書<br> 検証 異次元緩和

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ちくま新書
検証 異次元緩和

  • 著者名:原田泰【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2025/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076854

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内容説明

日銀が黒田総裁のもと採ってきた大規模金融緩和政策は、雇用環境の改善、財政赤字の縮小など多くの成果をもたらしてきた。だがそうした事実にもかかわらず、大規模な緩和が物価の急騰、為替の暴落など様々な副作用をもたらしてきたとの批判がある。そこで本書では、客観的なデータに基づいて大規模緩和の成果を検証。大規模緩和に対する否定論が十分な事実に基づかない議論であること、緩和の副作用もありえないことを示す。あわせて今後の金融政策の採るべき道筋を示したい。

目次

はじめに/第1章 異次元緩和政策の効果/1 雇用の継続的な改善/正規・非正規の雇用もともに伸びている/新卒の雇用も改善/2 賃金も伸びている/時給で見れば賃金は上がっている/3 雇用の改善は人口動態変化によるのか/単純な人口減決定論/人口構成変化と雇用改善/雇用の社会構造変化論/異次元緩和と出生率/4 雇用者所得と企業収益の拡大/5 消費の低迷と消費税増税/頼りない因果の連鎖と確実な所得/6 実質と名目のGDPも拡大/7 生産性は上昇したのか/8 低金利政策が低成長を招くという誤り/企業は利益の上がる投資をしている/金利と利益率の関係を見てみると/9 低金利政策がゾンビ企業を残し、低成長をもたらすという主張は誤り/10 所得格差も縮小/11 自殺者も減少している/12 財政状況の改善/債務残高で見ると/国際比較で考える/名目GDPが増えれば政府支出も増やさなければいけないのか/緩和と財政規律/財務省がなぜデフレを阻止できなかったのか/13 株高は年金会計を通じてすべての国民の利益になる/GPIFが利益を上げられたのは運用方針が変わったから/GPIFの利益と年金財政/14 景気の実感が改善した/第1章のまとめ/第2章 金融政策とは何をするものか──目的と手段と経路/1 金融政策の目的/総需要曲線と総供給曲線で考える/フィリップス・カーブで考える/オークン法則で考える/自然利子率と中立金利で考える/2 金融政策の手段と経路/量的緩和を通じての効果と予想物価上昇率/マイナス金利政策と長期のコミットメント/金融政策以外の手段/金融政策が無効であることはあり得ない/3 金融政策の実践/インフレ目標政策(2013年1月)/異次元緩和政策(2013年4月)/付利の矛盾/付利の開始/世界の理解では付利は金融引き締め/マイナス金利政策(2016年1月)/イールドカーブ・コントロール(2016年9月)/金融政策の本末転倒論/4 金融政策の経路とその効果/マネタリーベースと予想物価/物価と実質金利/マネタリーベースと為替と株価/リーマンショック時とコロナショック時の金融政策/量的緩和政策と貸出と預金とマネー/マネタリーベースと物価と全産業活動指数/金融政策の効果/実証研究による量的緩和政策の効果/5 実証的金融政策無効論への反論/日本の係数が低いのはなぜか/6 高圧経済論とその限界/高圧経済政策には意味がないのか/2022年からの世界的インフレは高圧経済政策の失敗か/欧米のインフレ高進/政策金利と物価の関係/金融政策は物価と景気をともに考慮して/2021年以降のインフレの要因/金融緩和継続のメリット/7 低圧経済の失敗と構造失業率/構造失業率の再推計/構造失業率3・5%説は2015年4月には否定されていた/8 円高は日本を低圧経済にする/日本は円高になり過ぎで変動も大き過ぎる/スイスは自国通貨高でも豊かになれた? /9 人口減少だからデフレになるという議論の誤り/ギリシャは財政緊縮でデフレと人口減になった/10 賃金デフレ論は未完成の理論/第2章のまとめ/第3章 異次元緩和の副作用──銀行経営と中央銀行の財務問題/1 金融緩和の副作用論/金融市場の流動性低下/異次元緩和により短期市場で流動性が低下しているのか/長期市場で金利機能が低下しているのか/金融の不均衡とバブル/円安の副作用論/岩石理論の誤り/2 異次元緩和と銀行経営/銀行の利益構造はどうなっているのか/大手銀行・地域銀行・信用金庫の利益推移/銀行利益に対する各項目の影響/金融政策と長短金利差/金利と物価のダイナミズム/3 金融政策と中央銀行財務への副作用/中央銀行の財務悪化が欧米のインフレ高進をもたらしたのか/アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の財務状況/利上げと欧州中央銀行の財務状況/イギリスの中央銀行(イングランド銀行)の財務状況/日本銀行の財務状況/中銀財務の悪化と為替レート/4 出口での日銀財務のシミュレーション/日本銀行の財務状況/これまでのシミュレーションとの比較/長期国債の買入額/政策金利(付利金利)の仮定/第3章のまとめ/終章 異次元緩和政策の成果/異次元緩和政策の成果を評価しない経済学者たち/副作用論には根拠がない/物価2%目標の達成へ/エネルギー価格上昇による物価上昇は続かない/2%インフレターゲット達成後の問題/おわりに/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

駒場

4
この本のチェックをした面子を見て色々察した。出版から日がたってないのでそのうちまともな批判的書評なんかが出てくると思うが、今のところリフレ派の田中秀臣の書評くらいしか見つからなかった2025/06/30

Go Extreme

2
異次元金融緩和政策の効果 アベノミクス三本の矢 雇用環境の継続的改善 副作用論への反論 物価急騰の可能性否定 継続的な金融緩和 賃金上昇の指摘 就職氷河期からの脱却 雇用者所得の拡大 企業収益の明確な反転 消費税増税の影響 労働生産性の向上 低金利政策の誤解 所得格差の縮小 株高と年金会計 景気実感の向上 金融政策の目的と手段 高圧経済政策の大きな利益 中央銀行財務への影響 市場流動性低下の否定 金融市場の不均衡とバブル 円安の副作用論への反論 マネタリーベース増大とGDP 人口減少デフレ論の誤り2025/05/23

Akim

0
経済専門用語がわからないと読みずらい。2025/06/28

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