幻冬舎文庫<br> 吹上奇譚 第二話 どんぶり

個数:1
紙書籍版価格
¥550
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

幻冬舎文庫
吹上奇譚 第二話 どんぶり

  • 著者名:吉本ばなな【著】
  • 価格 ¥522(本体¥475)
  • 幻冬舎(2020/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344430204

ファイル: /

内容説明

この世で最も恐ろしいことは、自分が自分でなくなってしまうこと――。眠り病から回復
した母、異世界人と結婚した妹とともに、吹上町で穏やかな日々を送っていたミミ。だが
友人・美鈴が除霊に失敗し、少女の霊に体を乗っ取られてしまう。美鈴は自分の体を取り
戻せるのか? 少女の霊の目的は? 著者のライフワークが華開く、スリル満点の第二弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

305
吉本ばななは実に久しぶり。本書はファンタジー『吹上奇譚』の第2巻だが、この独特の語りの世界がそうだったと思い出す。ここでは生命も、セックスも愛も何もかも軽い。それらは、極論すれば母親が作るどんぶりとさえ等価だ。しかも、物語の中にはほとんど葛藤といったものが見られない。「あとがき」で、ばななさんは「これはもはや、小説というものではないものかもしれない」と言うのだが、コアなばななファンにはこれでも十分に通じるのかもしれないが、作家にはもはや通じなくてもいいという思いがあるのではないか。この人にはもともと⇒2024/03/03

mayu

58
死者に手向ける花束を作る墓守くん、除霊に失敗して少女の霊に体を乗っ取られた美鈴。この作品の死に近い世界の中で、眠り病から醒めた母が毎日作り続けるどんぶりからは、生をつなぐ、生きることへの煌めきが感じられた。「未来は無限。私にできることは、その日まで判断を信頼できるであろう自分を育てること」。ミミたちの今できることをして、真摯に生き抜こうとする姿勢を見習いたいと思った。2020/09/27

しばこ

16
オカルトチックでファンタジーな世界なのに、リアルで生々しくて、生きていることと死がとても身近にあることなんだと感じた。 そんな中でどっしりとしたどんぶりの存在感が良い。2020/09/21

橘 由芽

10
三話→一話→そしてこの二話というヘンな順序で読んでしまったが、とりあえず三部作完了。どんな作品にも賛否両論があるが、とりわけそれがはっきりと出てしまうような内容。著者自身が「これはもはや小説というものではないかもしれない」って言ってるし。私にはきっちり最後まで読んでみたいと思わせるものがありました。むしろこういうものを「小説」と呼ぶのではないかな、と。2023/06/17

凛風(積ん読消化中)

7
第一話を読んでから、ずいぶん経つので、忘れていることも多く、3年前の読書ノートを読み返してから読み直す。第一話を読んだ時、ホラー哲学、と書かれていて、ピンと来なかったけれど、今回は哲学に関しては納得。生きること、死ぬこと、愛すること、をちょっと外れた人たちがフワフワと考え、行動する。この世の理不尽は、時に抗えないけれど、それでも癒し、癒され、穏やかに乗り越えることもできる。誰かの幸せを祈ったり、荒れる心を鎮めたりできる「場」を持てること自体が羨ましい。第一話に比べて、圧倒的な心動かされた、第二話でした。2020/11/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16558733
  • ご注意事項

最近チェックした商品