内容説明
狩猟採集民の集団から、部族社会、首長社会、そして国家へと、人間はより複雑な社会を築いてきたが、それは同時に、集団同士の縄張り争いの歴史でもあった。人間社会に潜む崩壊につながる「危うさ」の正体を、昆虫社会の生態を研究する著者が明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
50
人が憎しみ合うのは、これまでの人が築き上げてきた社会構造にある。生物学を示しながら、こうまでも社会学に切り込んでいる本書に感動すら覚えた。「今や私たちは匿名の群れのなかをアリのように移動している」そう、表紙にいるアリのように!2022/01/16
りょうみや
20
上巻に続けて読む。人類史で狩猟時代の小規模なバンドまでを大まかに上巻としたら、下巻はそれから大規模な国家までどうしてなることができたのかを考察している。上巻にあった他の生物との比較する面は下巻では薄れている。心理学、社会学、歴史学などの適切な引用が多く、著者が生物専門とは思えなくなる。社会が大きくなった要因は侵略と奴隷制度であって、それは自分の社会と外との明確な区別に基づいている。社会の境界、区別がなくては人はアイデンティティを保てないので、真の同質性は決して実現しないと言う。2020/12/16
くらーく
5
狩猟採集から農耕蓄積になって、だんだんと人数が大きな組織になっていくから。憎しみ合う理由は、こんなところかな。大雑把すぎるけど。なまじ感情があるから憎しみあうし、憎しみの裏には友情や愛情があるし、知識や経験もあるんだろうな。 上下2巻をだらだらと読んだけど、なんだかスッキリしない本だわ。感情に理由は無いのだろうな。2022/03/12
sho
3
あらゆる生物の「社会」は合併せず、人間だけが支配により国家社会を形成したが、それでも国家として1つにまとまったように見えても、人々が元々共有している「しるし」によるアイデンティティが失われることは稀であり、「社会」という意識はどこまで行っても失われることはなく、国家はある意味つぎはぎのような状態であると理解した。EUが国家足り得ない根拠として、変動ずる境界線や共通の神話、統合前の東西対立の歴史だというのはなるほどと思った。ただ、本書の主題は「なぜ憎しみあうのか」というよりは「なぜ群れるのか」が近いだろう。2020/11/14
鈴川愛夏
2
#読了2023/05/29
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