感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
39
韓国の詩人が手掛けた戯曲集。詩と劇を融合した、高水準の純文学だ。理屈では探れない物語の中枢に、メスを入れた快感に痺れた。両腕のないオオカミ人間の野生回帰を、母胎の産聲で描く表題作。下半身の不自由な男とお巡りさんの、紛失と取得の対等な調べ「私が一番美しかった時、私のそばには愛する人がいなかった」を収録している。アジア文学に益々の熱視線を送る。【購入本】2018/07/03
林克也
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この台本、音楽、というかリズム感、間の取り方がとても心地いい。韓国語は全くわからないが、おそらく原文(韓国語)でも同じか、いや、もっと歯切れがいいんだろうな。そのうえで、まだ言葉を省略する余地はあるかな、と思った。もっと少ない言葉で、見る人に考えさせたほうが面白いんじゃないか。 ところで、この詩の表わす世界観、韓国では一般的なんだろうか。それとも少し知的レベルの高さが必要なんだろうか。あと、舞台でこれを演じる役者の音楽的センスは厳しく問われると思う。とにかく一回観てみたい。2018/07/17