文春文庫<br> 13・67 下

個数:1
紙書籍版価格
¥957
  • 電子書籍
  • Reader

文春文庫
13・67 下

  • ISBN:9784167915704

ファイル: /

内容説明

華文ミステリーの到達点を示す傑作!
巨匠ウォン・カーウァイ監督のもとで映像化進行中。

1989年、新人刑事のローは凶悪犯罪捜査係に配属され、多くの犠牲者を出した九龍の銃撃戦の意外な黒幕を知ることになる――。
60年代に文化大革命の煽りで始まった反英暴動、2010年代に起きた雨傘革命とも呼ばれる市民運動。
香港を象徴する二つの“反政府の時代”が時空を越えて繋がる壮大な社会派ミステリー。

横山秀夫氏も絶賛!
ヤワなミステリーは道をあけよ!
本書は、時代が織りなす警察の信と疑を車窓に映しつつ、ロジックのハンドルさばきも鮮やかに、香港現代史の発火点をタイムトラベルしてみせる無双の緊急捜査車両である。

解説・佳多山大地

※この電子書籍は2017年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

82
下巻で香港返還前に遡るわけですが、面白さが跳ね上がった感じ。とくに五話の誘拐の話は、謎解きのプロットに加え、香港で暮らす英国人家族の描写が秀逸だと思います。自分の趣味として、できあがった名探偵より、ルーキー感のある探偵の方が好きだからかも知れませんが。解説を読んで、そういえばコロナ前最後に行った出張が香港で、外出禁止になったなあ、というのを思い出しました。2021/07/26

ナミのママ

72
最後のセリフを読んで思わず最初の章を読み返した。舞台は香港、名探偵と呼ばれた刑事クワンが主人公。2013年から1967年まで6章で香港の歴史を遡るのだが、これが1話ずつ本格ミステリで濃厚。どの章からもクワンの推理が光るとともに政権に揺さぶられ市民の姿が浮き上がる。なるほどねー、若い頃から優秀だったんだねー、と読み進めたら最後にとんでもない仕掛けが待っていた。この作家さん『網内人』もそうだが最後まで息が抜けない。おすすめされた本、面白かった。2023/06/28

おたま

68
上下巻通して、6作の中編で構成された連作集。クワンという香港の警察官の一生を2013年に亡くなったときから、次第に遡り1967年にまで至る。各作品は、非常に巧緻に作られた本格ミステリーであり、クワンの推理が冴える(第1作だけは部下のローの活躍が)が、あまりにもクワンの推理ができすぎているような感じも受ける。ただ、最終話を読むと、何故彼がその後の彼になったのかが分かるし、逆に香港警察に突き付けられた問いというのも考えさせられる。本格派と社会派の融合というのも、最後まで読むとよく理解できる。衝撃的なラスト!2022/04/22

owarai

65
こりゃ、やられました。しばし放心後に悶絶です。そりゃ正直な話、読みにくいし取っ付き難いですよ。香港の地理や歴史にも疎いし、現地の人達の気質も分からない、感情の機微も捉えにくい。何より名前も覚えにくい。でもね、そんな事、どうでも良かったってなりますよ。最後まで読めば。ただでさえ、濃密過ぎる短編。謎を理解するだけでも、結構な労力ですが、そこは我慢。全て読めば、男の警察官としての矜恃が浮かび上がる。この感覚を味わう為に、香港史を遡る時間旅行へ。クワンよ、今までよく頑張った。香港の安寧を後世に託し、安らかに眠れ。2020/09/23

cinos

63
第4話のマフィアの取締の謎、第5話の誘拐事件の意外な動機、第6話の会話から推理するテロ事件からの見事な大団円。第6話の最後の一行を読んだら必ず第1話に戻りたくなります。上下合わせて盛り込みすぎ、やりすぎミステリで面白すぎです。2020/11/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16297229
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす