韓非子 第三冊

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韓非子 第三冊

  • 著者名:韓非/金谷治
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 岩波書店(2020/08発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003321034

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内容説明

中国古代の法家思想の大成者とされる戦国末期の思想家韓非とその継承者の論著の集成.人間とは自分の利益を追求する存在であるという非情な人間観から,歯切れのよい文章で,法律・刑罰を政治の基礎だと説いてゆく.秦の始皇帝の法律万能の思想こそ,この法家思想であった.また,伝説・寓話に満ちた書としても有名である.付・索引.

目次

外儲説左上 第三十二
外儲説左下 第三十三
外儲説右上 第三十四
外儲説右下 第三十五
難一 第三十六
難二 第三十七
難三 第三十八
難四 第三十九

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ビイーン

25
普段よく口にする「良薬は口に苦し」「矛盾」の説話が収録されている。現代も組織の上になる人は利で動いている人ではないか。私利私欲に囚われたずる賢い人を相手にした時、韓非子の知恵は使える。2019/04/18

ロビン

16
第三巻にも細かい説話が大量に載っているのだが「宋襄の仁」や「矛盾」といった有名なものが含まれていてオッと思わされる。ある説話に孔子などが下した解釈が併せて載っているのだが、それに対して韓非子が「そうは言われているが自分はこの解釈のここがおかしいと思う」と批判的な意見を付している箇所が、別角度からの見方を提示して思索を深めさせてくれて一番面白かった。大量の歴史的説話という人間行動のカタログを蓄積し分析することによって自分の行動の参考にするという、歴史の最も有用な使い方をしている。自分も歴史に学んでいきたい。2025/02/17

明智紫苑

14
「鹿は馬みたいに役に立たないから、馬ほど値打ちはない」…エゾシカ肉、おいしいのに。それはさておき、斉の桓公と管仲のネタが多いねぇ。やはり、良くも悪くも君主と臣下の関係性の典型例かな。2018/07/03

wiki

13
利害関係で人間社会が成り立つ。利は即ち善、害は即ち悪だから、賞罰でハッキリさせよーーこれをひたすらに説く。「凡五霸所以能成功名於天下者、必君臣俱有力焉」(296p)。君臣共に力を発揮したから成功したのだとする一節。これは団結の力を言い表したもので、一定の真理と思うが、利害の平衡が崩れた場合、即座にこれは失われる。酒好きな人等は酒が飲める事で団結するが、飲み干せば解散する。金で集まった人は金欲しさに団結するが、なくなれば終わりだ。何を根本とするのか。利害のみが正しいとは思えないが、これも世の一側面であろう。2023/12/19

roughfractus02

10
本巻は「外儲」1-4と「難」1-4の8篇を収録する。古代巫祝文化を基盤とする儒教への批判が多い本巻には、世界が天と人間の関係から人間同士の関係へシフトする背景が時折垣間見える。戦争に天の意思ではなく人為を見た孫子の考えからすれば、戦争が常態となった戦国時代末期の世界では人為こそ本質と考えるはずだ。欲望渦巻く世界から超越する者として王を置いた師荀子に対して、著者は王をも欲望の主体と見なした。後半の議論では「そもそも」なる本質論を駆使して、欲望と利害関係に満ちた人間による国家論を天を夢想する儒教に突きつける。2025/11/06

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