内容説明
中国古代の法家思想の大成者とされる戦国末期の思想家韓非とその継承者の論著の集成.人間とは自分の利益を追求する存在であるという非情な人間観から,歯切れのよい文章で,法律・刑罰を政治の基礎だと説いてゆく.秦の始皇帝の法律万能の思想こそ,この法家思想であった.また,伝説・寓話に満ちた書としても有名である.付・索引.
目次
外儲説左上 第三十二
外儲説左下 第三十三
外儲説右上 第三十四
外儲説右下 第三十五
難一 第三十六
難二 第三十七
難三 第三十八
難四 第三十九
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビイーン
25
普段よく口にする「良薬は口に苦し」「矛盾」の説話が収録されている。現代も組織の上になる人は利で動いている人ではないか。私利私欲に囚われたずる賢い人を相手にした時、韓非子の知恵は使える。2019/04/18
ロビン
16
第三巻にも細かい説話が大量に載っているのだが「宋襄の仁」や「矛盾」といった有名なものが含まれていてオッと思わされる。ある説話に孔子などが下した解釈が併せて載っているのだが、それに対して韓非子が「そうは言われているが自分はこの解釈のここがおかしいと思う」と批判的な意見を付している箇所が、別角度からの見方を提示して思索を深めさせてくれて一番面白かった。大量の歴史的説話という人間行動のカタログを蓄積し分析することによって自分の行動の参考にするという、歴史の最も有用な使い方をしている。自分も歴史に学んでいきたい。2025/02/17
wiki
13
利害関係で人間社会が成り立つ。利は即ち善、害は即ち悪だから、賞罰でハッキリさせよーーこれをひたすらに説く。「凡五霸所以能成功名於天下者、必君臣俱有力焉」(296p)。君臣共に力を発揮したから成功したのだとする一節。これは団結の力を言い表したもので、一定の真理と思うが、利害の平衡が崩れた場合、即座にこれは失われる。酒好きな人等は酒が飲める事で団結するが、飲み干せば解散する。金で集まった人は金欲しさに団結するが、なくなれば終わりだ。何を根本とするのか。利害のみが正しいとは思えないが、これも世の一側面であろう。2023/12/19
明智紫苑
13
「鹿は馬みたいに役に立たないから、馬ほど値打ちはない」…エゾシカ肉、おいしいのに。それはさておき、斉の桓公と管仲のネタが多いねぇ。やはり、良くも悪くも君主と臣下の関係性の典型例かな。2018/07/03
積読0415
8
具体的な説話が突出して多い巻となっている。聞いたことのある話も多く取り組みやすい内容であるが、改めてその真意とするところを考えるのは非常に骨が折れる。理論体系それ自体を韓非子は明確にしているわけではない。よって読後「韓非子の思想のポイントを箇条書きにすると?」的な質問に答えるのはほぼ不可能だと思う。一方で「この場合韓非子だったらどう判断するか?」という場面で、読後の人間ならば問題なく本書の思考様式が再現できると思う。2022/04/18
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