内容説明
原始人類再起動
覚醒した“太古の遺伝子”がヒトの時代を終わらせる
<クルーガー・ウイルス>と名付けられた退化病菌は、ネズミを媒介してヒトからヒトへと感染し、世界の隅々まで浸食した。
感染者はすでに十五万人に達し、このままでは五百万人に膨れ上がる可能性もあるという。
その渦中にアンナの恋人である海洋生物学者ヤン・ルベルも感染し、エレクトスへと退化。病院に収容されてしまう。
アンナはあらゆる手段を講じて厳重な監視下に置かれたヤンのもとにたどりつき、ヒトとしての記憶を呼び覚まそうと懸命に語りかけた。
だが、彼がかすかに回復の兆しを見せたところでステファンに呼び出され、国連安全保障理事会に向かうことになる。
ヒトとしての知性と理性を失った人々にどう対応すべきか?
理事会では議論が紛糾していた。
アンナはその席上で、エレクトスを同じ人間として擁護すべきだと訴えたが、理事会は彼らを危険性の高い生物と判断。
人間社会からの隔絶を決議する。
フランスではパリの動物園が一時的な収容所となり、ヤンもそこに隔離された。
だが、ヤンたちが暴動を起こして逃走し、市街地では多くの市民が犠牲となった。
人々の不安と恐怖はピークに達し、民衆を “エレクトス狩り”へと駆り立てる。
エレクトスと現生人類の“生存競争”は繰り返される運命なのか――?
自由を求めて牙を剥いたエレクトスの逆襲が始まる!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolgang1957
35
ホモサピエンスが滅びなくて良かったね……という安易な感想では、あきませんね😑今のコロナの感染者が、この話のように排除されなかったけど、ひとつ間違えたら危ない気もする🤔それと、どこかの実験室から発生してなくて良かった。たかがSFやないかっていうより、想像力を働かせて、こんなことにならんようにしましょ☹️ /いつの時代もロシアは悪役から離れられません。というか、ロシアの小説読んだことないからかなぁ😅2020/10/16
寝猫
29
下巻は感染は世界中に拡大し、感染元の特定や、身近な人達ヘの感染、感染して変化したエレクトスをどうするかが書かれています。 ウイルスによって退化する世界なんて変わってるけど、こういう発想が小説の醍醐味でもありますよね。 色んな世界へ連れて行ってくれる作者さん達に感謝です。 個人的には中の恋愛がちょっと浮いてて入り込めなかったですが😅2022/10/02
Cinejazz
10
<クル-ガ-・ウイルス>と名付けられた新種のウイルスは、エボラ熱やエイズに匹敵する強い感染性病原菌であり、ヒトが感染すると先史時代の人類(ホモ・エレクトス)に退化することが明らかとなる。古生物化した動植物が世界各地で目撃され、ワクチン開発の目途が立たないなか、SNSで共鳴した自衛団組織による〝エレクトス狩り〟が頻発、自由を求めて牙を剥いたエレクトスと現生人類の生存競争が始まる・・・。 この小説の<クル-ガ-・ウイルス>を除き、逆進化の科学的事象は全て真実だと、著者(物理学博士)の覚書にある。 2021/07/29
KUMYAM@ミステリーとSFF推し
7
エンタメとしてとても面白く読んだけど、最後まできてみると、あの要素は必要だったの?と思うところもいくつか。2020/10/21
ナカユ〜、
2
いや、いるかいないかは置いといてだよ、イエティとかビッグフットとか聞くじゃない、ああいう人間に近い存在を国が(米国ね)肯定しないのは、存在を肯定しちゃうと人権が発生して山や森を開発できないから肯定しないんだってねw、さて、久しぶりのフランスSFで映像を意識し過ぎたとても読みやすい本、軽いジュラシックパークみたい、でも終わり方が好き、2024/01/10