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内容説明
かつて、個人が組織や集団と融合していることは、日本企業の強みとされた。しかし、工業社会から情報社会への転換によって、仕事の内容が変わり、働く人が多様になった。今、働き方改革の最重要課題は、明確な役割を持つ多様な個人が共に働く組織をつくることである――。長時間労働、男女格差、パワハラや生産性の低下まで、日本企業の根深い問題は「分ける」戦略で解決できる! 仕事、職場、キャリア、認知の四つの次元から、組織から個人を分け、その上で統合する方策を示す。
目次
はじめに
序章 「分ける」と働き方は変わる
1 「働き方改革」の要は組織改
「分ける」べき時代の到来
ITがトレードオフを解消
日本の起死回生のチャンスに
2 「分ける」ことの意味
社員とフリーランスの熱意に大差
分けると自分事になる
セクショナリズムは分けたら防げる
分けるとつながる
ほんとうに格差が広がるのか
分けると「弱者」が救われる
第一章 仕事を分ける
1 「分ける」と解消される職場の悩み
根底に潜む三つの宿痾
依然、大きい欧米との労働時間格差
分けると残業が減る、四つの理由
「管理職に就きたくない」理由を取り去る
分担を明確にするとストレスが減る
高プロを「残業代ゼロ制度」にしないため
ダイバーシティ推進の大前提
同じ「プロセスの評価」も中身が違う
男女格差、「ガラスの天井」の正体
コース別人事の不合理
「統計的差別」の動機を消し去る
ハラスメント防止の切り札に
組織不祥事の抑制にもつながる
2 「やる気最下位国」からの脱却
浮揚しない労働生産性、国際競争力
分けるとモチベーションが上がる
努力と実力で獲得できるようになる
自ずとムダが減り、仕事が効率化される
3 仕事を「分ける」三つの切り口
職務で分ける(職務型)
専門で分ける(専門職型)
まとまった仕事を受けもつ(自営型)
中国・台湾企業、周回遅れがトップに?
分業化に逆行する棟梁集団の強み
自営型は日本社会になじみやすい
4 どこから手をつけるか
多民族国家マレーシアで日系企業が経験したこと
ダイバーシティを分化の契機に
まず別組織から始める
第二章 職場を分ける
1 現代オフィスは「創造の場」
大部屋で仕切りがないのは日本だけ
「事務作業の場」から「創造の場」へ
人間にも「なわばり」が必要
「ワイガヤ」の限界を踏まえて
集中と交流のバランスをどうとるか
仕事が未分化でもできること
「分ける」ことへの抵抗感を払拭するには
やむをえぬ状況をつくる
製造現場でも分化にメリット
IoTで進化した一人生産方式
2 場所と時間の制約から解放
日本では定着しないテレワーク
足かせは「仕事の未分化」
ポイントは「機能と行動の切り離し」
承認欲求をどう満たすか
第三章 キャリアを分ける
1 独立・転職の機会がエンゲージメントを高める
意欲が高い国と低い国の違いは?
大事なのは「自分で選んだ」という意識
ゴールが近くにあるとがんばれる
「時間」という要素のもつ意味
「期間限定」が結束の条件
籠のなかの夢と、大空の夢
イノベーションの「敵」から逃れるためにも
請負も上下関係から対等な関係へ
UターンもWin‐Winになる時代
2 「退出」という選択肢は働く人の砦
転職の機会があれば残業も抑制される
ハラスメント発生の歯止めに
「告発」も退出という選択肢があってこそ
「能力時価主義の時代」には「短期に清算する人事」が適合
3 日本のホワイトカラー最大の弱点を克服
事務系が生産性向上のネック
ゼネラリスト=素人集団の限界
自己啓発への意欲を高めるにも
キャリアを組織から分ける
本物の「内部労働市場」を取り入れるには
時代後れの「専業主婦モデル」から脱却を
第四章 認知的に分ける
1 認めるとは「分ける」こと
人は名誉がかかると努力を惜しまない
分化できない職場は「見える化」を
「ケ」ではなく「ハレ」の見える化を
2 名前をだす権利と、ださない権利
すべてのアウトプットに名前を入れる
いっぽうで高まるリスク
名前をだす、ださない、の基準は何か
終章 分けて統べる
経営理念は必要か
分化しながら統合する仕組み
分化した企業は生産性も満足度も高い
あらゆる領域で「分けて統べる」時代に
あとがき
引用文献
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