ちくま新書<br> 「超」働き方改革

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ちくま新書
「超」働き方改革

  • 著者名:太田肇【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2020/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480073259

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内容説明

かつて、個人が組織や集団と融合していることは、日本企業の強みとされた。しかし、工業社会から情報社会への転換によって、仕事の内容が変わり、働く人が多様になった。今、働き方改革の最重要課題は、明確な役割を持つ多様な個人が共に働く組織をつくることである――。長時間労働、男女格差、パワハラや生産性の低下まで、日本企業の根深い問題は「分ける」戦略で解決できる! 仕事、職場、キャリア、認知の四つの次元から、組織から個人を分け、その上で統合する方策を示す。

目次

はじめに
序章 「分ける」と働き方は変わる
1 「働き方改革」の要は組織改
「分ける」べき時代の到来
ITがトレードオフを解消
日本の起死回生のチャンスに
2 「分ける」ことの意味
社員とフリーランスの熱意に大差
分けると自分事になる
セクショナリズムは分けたら防げる
分けるとつながる
ほんとうに格差が広がるのか
分けると「弱者」が救われる
第一章 仕事を分ける
1 「分ける」と解消される職場の悩み
根底に潜む三つの宿痾
依然、大きい欧米との労働時間格差
分けると残業が減る、四つの理由
「管理職に就きたくない」理由を取り去る
分担を明確にするとストレスが減る
高プロを「残業代ゼロ制度」にしないため
ダイバーシティ推進の大前提
同じ「プロセスの評価」も中身が違う
男女格差、「ガラスの天井」の正体
コース別人事の不合理
「統計的差別」の動機を消し去る
ハラスメント防止の切り札に
組織不祥事の抑制にもつながる
2 「やる気最下位国」からの脱却
浮揚しない労働生産性、国際競争力
分けるとモチベーションが上がる
努力と実力で獲得できるようになる
自ずとムダが減り、仕事が効率化される
3 仕事を「分ける」三つの切り口
職務で分ける(職務型)
専門で分ける(専門職型)
まとまった仕事を受けもつ(自営型)
中国・台湾企業、周回遅れがトップに?
分業化に逆行する棟梁集団の強み
自営型は日本社会になじみやすい
4 どこから手をつけるか
多民族国家マレーシアで日系企業が経験したこと
ダイバーシティを分化の契機に
まず別組織から始める
第二章 職場を分ける
1 現代オフィスは「創造の場」
大部屋で仕切りがないのは日本だけ
「事務作業の場」から「創造の場」へ
人間にも「なわばり」が必要
「ワイガヤ」の限界を踏まえて
集中と交流のバランスをどうとるか
仕事が未分化でもできること
「分ける」ことへの抵抗感を払拭するには
やむをえぬ状況をつくる
製造現場でも分化にメリット
IoTで進化した一人生産方式
2 場所と時間の制約から解放
日本では定着しないテレワーク
足かせは「仕事の未分化」
ポイントは「機能と行動の切り離し」
承認欲求をどう満たすか
第三章 キャリアを分ける
1 独立・転職の機会がエンゲージメントを高める
意欲が高い国と低い国の違いは?
大事なのは「自分で選んだ」という意識
ゴールが近くにあるとがんばれる
「時間」という要素のもつ意味
「期間限定」が結束の条件
籠のなかの夢と、大空の夢
イノベーションの「敵」から逃れるためにも
請負も上下関係から対等な関係へ
UターンもWin‐Winになる時代
2 「退出」という選択肢は働く人の砦
転職の機会があれば残業も抑制される
ハラスメント発生の歯止めに
「告発」も退出という選択肢があってこそ
「能力時価主義の時代」には「短期に清算する人事」が適合
3 日本のホワイトカラー最大の弱点を克服
事務系が生産性向上のネック
ゼネラリスト=素人集団の限界
自己啓発への意欲を高めるにも
キャリアを組織から分ける
本物の「内部労働市場」を取り入れるには
時代後れの「専業主婦モデル」から脱却を
第四章 認知的に分ける
1 認めるとは「分ける」こと
人は名誉がかかると努力を惜しまない
分化できない職場は「見える化」を
「ケ」ではなく「ハレ」の見える化を
2 名前をだす権利と、ださない権利
すべてのアウトプットに名前を入れる
いっぽうで高まるリスク
名前をだす、ださない、の基準は何か
終章 分けて統べる
経営理念は必要か
分化しながら統合する仕組み
分化した企業は生産性も満足度も高い
あらゆる領域で「分けて統べる」時代に
あとがき
引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

T66

8
「同調圧力」が非常に面白かったのでこちらも。目から鱗が落ちる箇所が多かった。「分けると解消される職場の悩み」→これほんとにそう。「みんなで協力して」というと響きはいいが、結局分担があいまいで、統制とる人がいないと無駄が多そう。「大部屋で仕切りがないのは日本だけ」→在宅勤務とは、大部屋からひとっ飛びに完全個室になったのか、と腹落ちした。「察して」いた業務量や人の癖、意欲等全てを可視化するには仕組みが必要ということか。「転職の機会があれば残業も抑制される」→自己犠牲を貢献と勘違いしている社員が多い。図書館本2021/12/05

Yappy!

6
日本人ほど自分勝手な民族はいないと常日頃思っていたけれど、同じように捉えられている内容があった。日本人は集団主義というのはステレオタイプでどちらかというと組織などの大きなものを隠れ蓑に自分が楽に気持ち良くみんなと一緒にだれている・・と悪くも言えるんだなと、読んでみた感想。 職務内容だけでなく、現状の分析から様々なレベルの分化うを提案し、予想される解決先も垣間見せる。気持ちが高揚するとか、一体感とか、精神論的なもののうち意味のない部分も論理的に分析して指摘。非効率の元凶はやりがいだの達成感だのの先行か・・2020/09/21

しゅー

3
★★職場に置いてあったので斜め読み。積ん読してる『日本人の承認欲求』より、こっちの方が面白そう。「分ける」をキーワードに働き方改革を語る。さすがに一つの言葉で全てを切るのは強引すぎたかなと言う場面もあるものの、焦点をしぼった強みは活きていると思う。著者いわく組織から個人が分化されていないことが日本企業の諸悪の根源。自由/協働と言う二項対立を「分ける」施策で脱構築するのがポイント。確かにカイシャも学校も個人が尊重されないのが日本社会。直前に読んだ『教えないスキル』も日本のスポーツ界に同様な病根を見てたなぁ。2022/04/27

nnnともろー

2
同調圧力の強い日本。組織と個人を分けることで働きやすくなる。管理職の意識改革が一番必要だろう。誰のための働き方改革なのか。2021/01/18

白ワイシャツ

2
働き方改革というよりも、組織論として分化することの大切さを説いた本。マネジメントの考え方として参考になる。2020/09/17

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