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内容説明
批評家ソンタグはこう言っていた。人は「健康な人の国」と「病気の人の国」のいずれかに属する、と。本書は哲学者自身がガンになった経験を通じて、「病気の人の国」の現実を見つめ、生と死について考察した記録である。死への恐怖はなぜ起きるのか。死に直面することでなぜ人は初めて根本的に懐疑し、真に思考するようになるのか。東西の哲学者たちによる病や死、老いについての考察も参照しつつ、「健康な人の国」の人々には見えない世界と人生の諸問題について深く問いなおす。
目次
はじめに
プロローグ
二種類の死
死の衝動
【哲学的断章1】人生論考
第1章 がんとの遭遇
ある日のこと
病院に行くということ
タイミング
現実なるもの
死と物語
がんになるのは不公平か?
病気の人の国
【哲学的断章2】群れとしての社会
第2章 死
生の条件
メモを残す
何を遺すべきか?
死への恐怖
死後の世界
故人の記憶
葬儀
【哲学的断章3】死と魂について
第3章 いかにして歳をとるか
人は死ぬ
母のこと
年齢道徳
自然の歯車
【哲学的断章4】人生の大いなる車輪
第4章 がんという「病気」
死因としてのがん
五年生存率
新薬を待つ
がんは治るか?
がんは原因か?
タバコ
確率と必然性
確率論的思考
がんという現象
がんとの戦い
拷問のような治療
抗がん剤
免疫療法
第5章 がん病棟にて
多と一
苦痛は心にある
体と心
代替療法と民間療法
病院のスケジュール
インフォームド・コンセント
ある医師との会話
治療の主体
病気との戦い
第6章 助けを求めて
尊厳死
生活の質
患者の勇気
縛られたプロメーテウス
抗うつ剤
カミングアウト
家族
情けなさ
生老病癌死
第7章 生と命
選択
責任
後悔しない生き方
エピメーテウス
運命
生の拡張
手術
器官なき身体
エロスとロゴス
【哲学的断章5】知覚と生
第8章 老いについて
余命と余生
寿命
がんと老化
老いたということ
永遠の若さ?
老いの価値転倒
終活?
老いの自覚
怒りは愛の欲望である
子どものような年寄り
おとなと子ども
老人の寛容さとは
【哲学的断章6】魂の声
エピローグ
邯鄲の夢
若者と老人
個体の進化論
人生の物語
あとがき
人名・書名索引
感想・レビュー
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くれは
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