内容説明
村上春樹が挑む、伝説の女性作家、傑作短篇集。
たった3冊の短篇集で、50年の間、圧倒的支持と尊敬を受けつづけている、まさに稀有な作家、グレイス・ペイリー。NY・ブロンクス生まれ。
ストレートにタフだけれども、温かく、ちょっとはぐれたおかしさがたまらない。どの場面も熱い血が脈打っていて「いったんはまりこむと、もうこれなしにはいられなくなる」(訳者あとがき)
「長距離ランナー」「父親との会話」等名品17篇収録。村上春樹訳で贈る、20世紀最高の女流作家、アメリカ文学シーンの生きた伝説。
※この電子書籍は1999年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
124
今の私の波長とこの短編たちのもつ波長とが全く噛み合っていない。話が胸に響いてこない。ここの主人公たちは、親やファミリー的な物との強いつながりを持って暮らしている。話の時点で距離はあったとしても、自分の夫や恋人よりも血のつながりがしっかりしてるようだ。母親との場合は愛憎的なものを抱えていても、父と娘には大きな愛が横たわっているように思える。たぶん、それが今、私が直視できないもののために、これらの短編たちのストーリーに入っていくのを拒んでいるのだと思う。この表紙が一番好き。素直に惹かれる。2016/10/01
chantal(シャンタール)
85
【第166回海外作品読書会】さすがの村上さんも相当翻訳には苦労したようだ。日本語を読んでいても、かなり根気よく真剣に読まないと、そのうち訳が分からなくなってくる。ちょっと油断するとあれ?あれ?となってしまう。「98%までは原文に忠実に、残りの2%はオリジナルの文章のリズムを維持するよう」心がけたそうだが、正にこの短編集は深く考えずそのまま勢いで読んでしまう方がいい。それくらいリズム感のあるグイグイ引っ張る文章。でもどこか桜木紫乃さんを思わせる(もっと明るい雰囲気だが)文章が社会的弱者の悲哀を感じさせる。2020/10/11
ヴェネツィア
63
かつてのニューヨークのユダヤ系社会というのは、知識として何分かは了解しているつもりでも、なかなか感覚として体得できるものではない。ここに収められたいくつかの短篇(とりわけフェイスもの)は、そうした感覚を様々な角度から伝えているように思う。ただし、言葉そのものは平易なのだが、内容的にはなかなかに難解であり、小説世界に入り込むのも必ずしも容易ではない。私は残念ながら、現時点では翻訳者の村上春樹が言う「強く深く受け入れる」読者にはなれなかったようだ。2012/10/17
あふもん
51
再読2。いやぁおもろい!正直一回目に読んだ時は自分が未熟だったからなのか単に集中できてなかったからなのかを全く思い出せないくらいにこの本を理解出来なかった。読み返して一つも話を覚えていなかった。なので前回の感想がそれはそれは薄っぺらいものとなってしまっていました。が今回はどの話も刺さる刺さる。表現も新鮮でキラキラしてて印象的だ。まさに春樹氏の言う中毒性に侵されてしまいました。というわけでとりあえずボクは頭をクリアにして集中できる時に読むことをオススメします2017/05/31
こばまり
48
10年前に最初の一編を読み自らの無能を恥じてそっと頁を閉じた本書。翻訳者の村上春樹氏によるあとがきを先に目にするべきだったのだ。寡作イエス、本国での絶大なる評価イエス、独特のグルーヴを有し決して御しやすいタイプではないおぉそうだったのか!確かに独特。でも10年経った私はこのグルーヴ、嫌じゃない。読了感はぼんやりと切なくなるものだったけれども。2016/01/03
-
- 電子書籍
- 授か離婚~一刻も早く身籠って、私から解…
-
- 電子書籍
- トウ狂女子図鑑 ~普通じゃ足りない私た…
-
- 電子書籍
- 新聞が語る中国の97%は嘘である (H…
-
- 電子書籍
- 可愛い女子はここにいた! 立花陽香 と…
-
- 電子書籍
- マンガ+講義でよくわかる経済学超入門




