内容説明
人間が苦手で、相手が誰であれ一定の距離を保って接してしまう立夏。そんな自分を自然に受け入れてくれた妻・恵里香の不審な行動に浮気を疑い、ついに尾行を決意する。車が到着した場所は、立夏が所有する関東近郊の土地。そこで妻と妻の妹は、車のトランクから手足を拘束された少女を出す。現地で合流した妻の従弟の見ている前で、妻は少女をナイフで刺し、地中に埋めようとする。思わず立夏が声を上げると、その隙をついて、死んだはずの少女が駆け出した。従弟に追われ、恵里香とともに逃げる立夏。そこで彼女が語った、驚きの「仕事」と「家族」とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
68
題名と表のイラストでは幸せな物語風だけども、読後感は、騙されてはいけない!でした。人付き合いの苦手な立夏は、新婚の妻の恵里香が嘘をついている事を知り尾行すると、何と妻は人を刺し殺した。彼女の家族は本当の家族ではなく…。読むにつれ、人物像が反転し物語も反転し。ラスト迄、作者に翻弄され続け、でも楽しかった。そして横浜の馬車道や赤レンガ倉庫に又行きたくなった。2021/01/02
momi
40
心を癒してくれるような優しい始まりと…優しい彼の存在…そして幸せなタイトルと表紙絵…。えーーっ!?結婚間もない夫が目撃したのは…妻が人を刺す姿…。いや〜これは見事に騙されました!!偽りと真実に驚きます!!面白かった!2020/06/30
papako
37
なぜこのタイトル?このタイトルじゃ内容全然わからない。一応ハッピーエンド風だけど、ほんとに??それでいいの???ま、面白かったです。2022/12/30
うまる
32
浮気を疑い尾行して目撃したのは人を殺そうとする妻の姿だった。 表紙等から想像する話の斜め上を行く展開で驚きました。嫌な描写もありますがスリルある展開に目が離せなくなります。ブラックな話の中に、狭い範囲内での身体的・精神的暴力による複雑な被害者心理が巧く描かれています。ある程度の年齢の被害者に対して、なぜ逃げないのかが争点になる事があるけど、逃げない=容認・同意ではないとつくづく思いました。最後のオチはいらなかったかな。これだと地の文の心理描写に反するし、伏線入れないと唐突過ぎると思う。それとも伏線あった?2021/06/25
アカミネ
17
一応新婚さんの話だけど、タイトルと表紙のイラストと目次からかけ離れた世界がありました。話の流れに強引なところもあり、少ない登場人物であのでかい舞台背景を納め過ぎてる感もあるけど、個人的にはいい物語でした。一方通行の思いは届かない分切ない時もあるけど、自分が納得出来てるなら後悔はないよね。2022/07/08
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