内容説明
伝説の時代劇脚本家が贈る落涙の剣豪小説!
石見国浜岡藩奉行所の同心頭・香坂又十郎の平穏な暮らしは一つの藩命により一変した。「謀反を企んだ脱藩ものを討て」。その相手とは又十郎の義弟で、勘定方の兵頭数馬のことであった。藩命を拒むことはできず、数馬を追うべく妻・万寿栄を残し江戸へ向かう。断腸の思いで数馬を斬った又十郎だったが、お役御免とはいかず、江戸屋敷の目付・嶋尾久作から汚れ仕事を担わされてしまう。故郷に戻る事も許されない孤独な戦いが続いていた。
妻に会いたい――。又十郎の思いを汲み、万寿栄と会えるよう段取りを請け負ったのは、数馬が最期にその名を呟いた、下屋敷お蔵方の筧道三郎だった。筧は数馬を目黒不動前の成就院に匿った人物であり、数馬が国元を出た理由を知る者だった。万寿栄に会うことは叶わずとも、一目見られた事に安堵する又十郎だったが、嶋尾からの無理難題は続く一方。
困窮する又十郎の元に訪れた廻船問屋『備中屋』の作右衛門は「嶋尾久作を斬っていただきたい」と願い出たのだった。決断を迫られる又十郎に、浜岡藩を取り巻く陰謀が明かされる!この戦いに終止符は打てるのか?大河時代小説シリーズ涙の最終巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
100
脱藩さむらい4作目《完結編》2020.06発行。字の大きさは…小。石見国浜岡藩で田宮神剣流の遣いて香坂又十郎が、藩の政争に巻き込まれて剣を振るう物語です。 幕府より抜け荷の罪で藩主が謹慎の処分を受けます。それに伴い、藩の人事が一新され。又十郎も藩に帰参がかない、江戸へ出て来ていた妻・万寿栄と一緒に浜岡へ帰ります。 この物語が終わって、色んな情景が思い返されます。又十郎が、帰参がかない浜岡へ船で帰るとき、武士を捨て料理屋を始めると…心に決めたと…。又十郎が作る魚料理が楽しみな、続編を期待しています。2020/08/26
優希
56
義弟・数馬を討ったことで脱藩した又十郎。相変わらず帰郷は許されません。しかも浜岡藩内の権力闘争との関係からの争いが起こります。これが最後になり、万寿栄に会いたいという願いが叶うか気が気でなりませんでした。最後、故郷に戻り、夫婦で過ごせることになって良かったです。2020/12/02
むつこ
27
シリーズ4作目、最終巻。なんだろ、表紙からのイメージが合わないと感じるのは私の問題なのだろうか?藩命の義弟を斬ったのに脱藩者として故郷に戻ることのできない主人公・又十郎。しかし、まじめに生活していれば見ている人は意外なところで協力してくれる。素直な主人公の行動と長屋で暮らす住人たちの会話が普通で心地いい。ラスト、故郷に夫婦そろって戻ることになるが新シリーズができるといいなと思う。2020/11/02
蕭白
9
切ない部分もありましたが、いいエンディングでした。2021/02/10
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