ラ・ボエーム

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ラ・ボエーム

  • ISBN:9784334754167

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内容説明

安下宿に暮らす音楽家ショナールは、家賃滞納で追い出される寸前。金策の途上で出会った詩人ロドルフ、哲学者コリーヌ、突然現れた画家マルセルと意気投合し……。気の多い女ミミ、金持ちの愛人ミュゼットらも加わり展開される、自由放埒で甘美な物語。本邦初、23の連作小説の全訳!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

134
ラ・ボエームは、ボヘミアンから想像される流浪の民ではなく、その日暮らしで楽しく生きる若き芸術家たちのこと。芸術家とは自称かも知れず。語らい、恋をし、飲み、語らう。金は天下の回りもの。手元にあればすっかり使ってしまう。なければ何とか調達する。ラスティニャックらと同じ時代にパリにいても、彼らの生活はなんと呑気なことか。それが若さの特権。シャルル・アズナブールの「ラ・ボエーム」を脳内でずっとシャッフルしながら読んでいた https://m.youtube.com/watch?v=fVfnEyLOkrM2020/02/19

星落秋風五丈原

37
音楽家ショナールは、家賃滞納で今にも下宿を追い出されようとしていた。その日彼は詩人ロドルフ、画家マルセル、哲学者コリーヌと出会い意気投合。明日の自分はきっと成功しているはず!と思いながらもなかなか目が出ず、清潔とは言えない住居では、結核で死ぬ知人もいる。それでも彼らは金が入ると貯めることは考えず、飲めや歌えやの大騒ぎ。まさにこの表紙絵の如し。イソップ寓話の『アリとキリギリス』なんてどこ吹く風。ミュージカルRENTのおさらいで見ました。映画も見ました。2024/09/12

syota

36
パリの街角やカフェ、屋根裏部屋を舞台に、その日暮らしを続ける若い芸術家たちの友情と恋を描いた、23編からなる連作短編集。プッチーニのオペラを筆頭に、映画やミュージカルなどでも繰り返し取り上げられ名を知られているが、原作の完訳は本書が初とのことだ。個々のエピソードはたわいないものも多いけれど、通読するといつの時代でも変わらぬ青春の息吹と、当時のパリの空気感といったものまでが伝わってくる。オペラの知名度の影に隠れてしまった感があるが、原作も捨てがたい佳品だ。2023/04/23

みつ

31
プッチーニの歌劇『ラ・ボエーム』の「一応」原作。イタリア語台本では、登場人物の名マルセルはマルチェッロ、ミュゼットはムゼッタとなっているが、そもそも歌劇の主要エピソードは第18章の別の恋人たちの挿話から取られている。1840年代のパリを舞台にした、ロドルフとミミが中心の、若い芸術家志望の青年と恋人たちを描く連作小説とはいえ、その日暮らしの彼らを象徴しているかのようにある種気ままな断片からなり、小説としてのまとまりは少ない。自由気儘で放埒な恋愛模様よりもむしろ22章『恋の終章』以下の寂しさが心に沁みる。➡️2024/05/15

e

27
青春とは斯くも儚し。このひとことに全てが詰められているような気がする。4人の芸術家とそれぞれの恋人や周囲の人の織り成す青春群像劇。破茶滅茶で行き当たりばったりだけれど、その中にこそ煌めきがあるというか。詩や文章がとても美しかった。ぜひオペラで見てみたい作品。2020/02/18

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