内容説明
今日の日本は外国からどう見えているのか?20年以上滞日経験のある著者がフランス人に向けて書いたベストセラーだが、日本人が読んだほうがはるかに面白い現代日本社会エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なにょう
21
良著。フランス人の作者が見た日本にまつわるエッセイ。類書は数多あれど。話題は多岐に渡る。加えて日仏を優劣つけることなく、ただ比較する。★ジェンダー、移民、暴力、問題は山積する。日本はデモや論争でガラリと変化することは好まない。メディア、ある事件、裁判、ありとあらゆる根回しを使って、時には数年、数十年の時をかけながら、でも変わる時には鮮やかに変わる。★国民の統合に腐心する日本。象徴である天皇制を脅かす小室氏。結末は如何に……。きっと良い解決を見ることを願っている。→2020/12/27
本の蟲
12
現代日本が専門のフランス人歴史家による日本紹介本。「普遍的な原理」の元「理にかなっている」母国より、なぜかうまくいっている所がある「理不尽な国」日本。過度な賞賛も批判もせず、純粋な比較をするという内容だが、「理不尽」の詳細に踏み込むため、わりと辛口。的を射てる部分も多いが、やはり著者の立場や思想「反安部・与党は歴史修正主義・死刑絶対反対・カルロスゴーン支持etc」が透けて見える。本国出版の邦訳本で、これを読んでもフランス人が日本の何かを参考にする気は全く起きない気もするが…2023/08/02
ピンガペンギン
3
日本在住20年のフランス人歴史家による日仏社会文化比較エッセイ。妻は日本人で子供もお持ちなので、日本の将来を考えて書いていると思う。これを読んで、日本文化の良いところも認識できるが、良い部分がそのまま悪い部分にもなりえるという認識を新たにせざるを得なかった。議論を好まない、我慢することが美徳、などは社会の安定につながるが、それが改革を阻害する要因であるのではないだろうか。以下、興味深かったところをメモ。NHK「のど自慢」にみられるメッセージは。P151全員一致、共同体の優位性、喧嘩になりそうな状況への嫌悪2022/05/18
いわお
1
表題の「理不尽」とは、筆者の故郷であるフランス、西洋の自由、や個人の権利を尊重する価値観を「普遍的」なものとし、それとは異なる日本の価値観、制度のことを指す。 日本、フランスともにグローバリゼーションにより苦境に立たされているが、その中で日本は団結し、フランスは分断していく理由を考察している。 本書では日本、日本人を客観視することができ、耳の痛い指摘も多いが、日本の現状そしてこれからを理解するのに必要な一冊である。 2020/09/17
lovejoy
0
★★★2020/07/09