- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
経済自由主義の終焉が迫っている──19世紀のドイツで活躍した政治経済学者フリードリヒ・リストの理論をたどりながら、机上の空論ではない実践的な「国民経済学」の本質をつまびらかにし、経済成長の原動力を明らかにする渾身の意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
中野さんの本を読んでいると、むかし通産省にいた並木信義さんの著作を思い出します。役所にいながらかなり政権の政策などを批判していた気がします。中野さんも従来の経済学を批判してフリードリッヒ・リストやシュムペーターあるいはマキアベリなどを持ち出されています。やはりお役所にいてはこのような自由な評論を書くことは難しいのでしょうね。2019/10/25
おさむ
29
難解な経済思想本を書くことで知られる経産官僚の中野さん。いまの経済界に蔓延る自由貿易主義に対抗する保護貿易主義を唱えた先駆けとして、フリードリヒ・リストを挙げてその理論を展開していくのですが‥‥。一体何人が完読できるんだろう? 私は序章でダウンしました。これは新書というスタイルではなく、学術書として出すべき内容ですね。2022/02/22
ネコ虎
12
学生時代にリストという名前は知っていた。自由貿易を否定し、古典派経済学を否定していた素晴らしい経済学者だったとは。中野氏だからこその評価だ。この本でまた自由貿易論批判の武器が持てたように思う。グローバリズムよりもナショナリズムのほうが進んでいるのだ。近代合理主義の行き詰まりからの脱出にルネッサンス初期の人文主義に見いだそうとするのは慧眼。経済自由主義のドグマが世界を席巻して世界を破壊しているのだが、そこからの脱出は困難であり、パラダイム転換はどうしたら可能か。希望がないわけではないと中野氏は書くのだが…。2017/11/21
健
11
古典派経済学の流れを汲む現代の主流派経済学について、いかにおかしな理論であるかをフリードリッヒ・リストの著作を基に解き明かしていく。中野氏の他の著作と同様、理路整然と説明されているので、問題点が明快で分かりやすい。ところが、主流派経済学は理屈ではなく世界観の共有によってスコラ哲学的な「認識共同体」に安住しているため根本的な誤りを見ようとしていないということらしい。所々難しい箇所もあったので1回では理解しきれないけど、経済学におけるパラダイムの転換が起きることを願って止まない気持ちになった。2019/08/12
やす
9
「富国と強兵」が分厚くて未だに読めてないので、こちらを先に。リスト以外にも沢山カタカナの名前が出てくるので哲学や歴史が苦手な人には読みにくいかなー。イデオロギーの時代は続くよどこまでも~♪ いつの時代も経済学者が経済をダメにしているのではないかと思わざるをえない。2018/01/13