内容説明
「和真は俺の兄貴で……そして今日から、月子のもうひとりのお父さんだ」三軒茶屋の裏路地にひっそりと佇むプラネタリウム。店主の和真のもとに、十年ぶりに弟・創真が帰ってきた。娘だという美少女・月子を連れて。常連に闖入者、奇妙な客たちに囲まれ、“親子三人”の共同生活が始まるが……。読めば心温まる、人生讃歌エンターテインメント!
この星座館には、家族の夢が詰まっていた――。
「和真は俺の兄貴で……そして今日から、月子のもうひとりのお父さんだ」
三軒茶屋の裏路地にひっそりと佇むプラネタリウム(兼バー)。酔客たちに星座の講釈を聞かせる店主・和真のもとに、10年ぶりに弟・創馬が帰ってきた。娘だという美少女・月子を連れて。18歳年上に夢中な高校生、彼氏の浮気を疑うキャバ嬢、筋肉フェチのオカマ、ウーロン茶一筋の謎の老人、不思議な客たちが集まる店で、“親子3人”の奇妙な共同生活が始まるが……。
辛いことがあったら夜空を見上げればいい。僕たちよりもずっと昔から悩んできた、星たちの物語が広がっているから――。
読めば心温まる、人生讃歌エンターテインメント!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
114
星座館なので上品なイメージでしたが、三軒茶屋だからヤンチャになりますね。登場するギリシャ神話の神々もヤンキーで俗っぽい。これは本来の姿でギリシャの神様も人間の延長だから。決して上品ではないけど愛すべき人達が沢山登場する。次作が気になります。2018/07/30
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
88
猥雑で下町の雰囲気を残した街三軒茶屋。立ち飲み屋、お洒落なレストラン、風俗店が同居するそんな街。その三軒茶屋にある小さなプラネタリウム兼バーを舞台にした連作短編集。店長の和真の元に突如現われたのは長年音信不通だった弟創馬とその娘月子。彼らと店の常連らが繰り広げる日常劇。三茶にこんな店があったらきっと通ってしまうだろうな。グラス片手に寝てるかもしれないけどね。サクッと読める話でした。「まほろシリーズ」と感じが近いかな。でも残念ながら、まほろに比べるとキャラが弱い。ギャグのような神話もなんだかさぶい。★★2016/03/01
はる
84
表紙の雰囲気から静かな物語かと思ったらちょっと違う。主人公もチャラい感じで読み初めはちょっと微妙。でも、人情味ある物語や個性的な登場人物は読んでいて楽しく、彼らが絆を深めていく展開は素敵です。最初は嫌悪感さえ感じたギリシア神話の下世話な意訳も、慣れてくると楽しくなってくる笑。ラストも爽やかで良かった。2019/10/17
たるき( ´ ▽ ` )ノ
81
プラネタリウム兼バーという設定に、ものすごーーーーく惹かれた!!星座にまつわるギリシャ神話には興味があったけど、そういう本を読む気にならず知らないままだった。この本で知ることができたけど、とっても現代風な訳し方(笑)ぶっ飛びすぎていて、もう少しソフトな方が良かったな(^^;)だけど、こんなバーには行ってみたい♪話自体は面白かったので、続きも読んでみようかな。2017/04/13
papako
78
気になっていたシリーズ。三軒茶屋に縁はなくて、一度行ったっきり。でも、大きな通りと細かい路地がぎゅっと集まっていて面白そうな街だなという印象。その三軒茶屋にある小さなプラネタリウムが舞台。店主の和馬、双子の弟創馬と娘の月子を中心に、いろんな人達の人生と星座のお話をリンクさせて物語がすすむ。とにかく和馬の独特な星座の現代語訳が楽しい。ちょっと前の作品だから言葉は違うのかもしれないですね。さてさてシリーズ読みます。2022/01/10