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内容説明
【戦後日本社会の抱えてきた問題、実に大きい問題が、たとえば天皇の戦争責任が問いかけられている――大江健三郎】【東日本大震災で私たち劇作家が何より痛感したのは、井上ひさしさんの不在なんです――平田オリザ】【井上ひさしが生きていたら、その目には、この日本の状況がどう映っていただろう。――没後10年。いまこそ読み直したい、井上ひさしの文学。】大人気テレビ番組「ひょっこりひょうたん島」の脚本をはじめ、岸田國士戯曲賞を受賞した『道元の冒険』、直木賞受賞作となった『手鎖心中』、さらには日本SF大賞や読売文学賞に輝いたベストセラー小説『吉里吉里人』など、多彩な活躍を見せた作家・井上ひさし。本書は、井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら、その作品を論じる初の論考集。井上に刺激を受けながら創作活動を行ってきたと明かす作家・大江健三郎をはじめ、国内外から評価の高い劇作家・平田オリザなど、錚々たる創作者がそのメッセージを読み解く。
目次
はじめに 小森陽一
第一章 言葉に託された歴史感覚 今村忠純 島村 輝
第二章 「夢三部作」から読みとく戦後の日本 大江健三郎
第三章 自伝的作品とその時代 辻井 喬
第四章 評伝劇の可能性 永井 愛
第五章 「日本語」で書くということ 平田オリザ
特別付録 座談会「二一世紀の多喜二さんへ」井上ひさし最後の座談会 井上ひさし ノーマ・フィールド
おわりに 成田龍一
年表:井上ひさしの足跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
23
井上ひさしさんは、最も好きな作家。これまでも、たくさんの著作を読んできた。今回、改めて、その井上ひさしさんについて語られているのを興味深く読んだ。特に、大江健三郎さん、平田オリザさん。井上ひさしさんの著作というと、まずその視点の置き方が納得できるし、仕掛けや、背景にある情報量の膨大さがある。今後、こんな人が現れるのだろうかとする思う。2020/05/09
みこ
20
井上ひさしについて語る対談集である。小学五年生の時に「偽原始人」を読んだのが私の読書生活の原点である。(今から思えばマセたガキだな)その上で言わせてもらうと少々拍子外れである。対談内で、思想や歴史観を上手に隠しながら娯楽作品として楽しめるのが彼の魅力と語っているのに、彼が上手に隠したかったものを浮き彫りにして、これが本作の真のテーマとドヤ顔で語っては、彼もあの世で失笑してしまうのではないか。彼の真髄はどんなときでも「むずかしいことをやさしく」であると思う。2021/02/01
たま
15
この年末に「組曲虐殺」、年始に「天保十二年のシェイクスピア」の上演を見て、(井上ひさしさんの作品は初期のユーモア小説と雑文しか知らなかったので)、骨太の世界に驚いた。60年代から2010年に亡くなるまで、多岐にわたる50年の著作の何を読めば良いのか、ブックガイドのつもりでこの本を手に取った。広汎な紹介に続き、大江健三郎、辻井喬、永井愛、平田オリザを迎えテーマを絞ったた座談があり、充実した内容である。通読した印象で作家の評伝劇に興味を持った。実際の舞台の映像が見られると良いのだが。 2020/07/19
ネギっ子gen
10
井上ひさし・超入門(by成田龍一&小森陽一)。井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら井上作品を熱く論じた新書。人気作家が彼岸へ退場することで、枯れ葉が枝から落ちるように、現世との縁が切れた作家の本が、街の本棚から消え去って行く。栄枯盛衰は人の世の常とは申せ、本好きにとっては、寂しさの極み。『ひょうたん島』以来のファンとして、没後10年の節目の年に、このような新書が世に出たことを寿ぎたい。副題となった<人生を肯定するまなざし>というのが、如何にもで良かった。うん、よし! ひさし作品の読み直しじゃ!⇒2020/06/21
マカロニ マカロン
6
個人の感想です:B+。2010年に井上さんが亡くなって、仕事の全体像をまとめようと小森陽一さんと成田龍一さんが井上さんの作品をよく知る大江健三郎さん、永井愛さん、平田オリザさんらと座談会を行った記録。亡くなる前年10月の井上さんを交えた座談会の記録も入っている。編者の成田さんも言っている通り、「井上ひさし・超入門」的な一冊。文中でも書かれていたが、東北出身の井上さんにはあと2年生きて東日本大震災をテーマにした戯曲を書いて欲しかったと思う。『ムサシ』、『父と暮せば』、『國語元年』の舞台上演を見たい。2020/07/09
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