内容説明
名画に秘められた人間心理の深淵――。憎悪、残酷、嫉妬、絶望、狂気を鋭く読み解き、圧倒的な支持を得てロングセラー中の「怖い絵」シリーズ。文庫版だけの書き下ろしも収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
167
ドラローシュ「レディジェーングレイの処刑」ミレー「晩鐘」カレーニョデミランダ「カルロス二世」ベラスケス「ラス・メニーナス」エッシャー「相対性」ジェラール「レカミエ夫人の肖像」ブリューゲル「ベツレヘムの嬰児虐殺」ヴェロッキオ「キリストの洗礼」ビアズリー「サロメ」ボッティチェリ「ホロフェルネスの遺体発見」ブレイク「巨大なレッドドラゴンと日をまとう女」フォンテーヌブロー派「ガブリエルデストレとその妹」ルーベンス「パリスの審判」ドレイパー「オデュッセウスとセイレーン」カルパッチョ「聖ゲオルギウスと竜」解説小池昌代2013/10/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
133
絵画に秘められた画家の企みを読み解くのは、内的世界へのミステリーツアーのようだね。作品が描かれた背景、その時に画家が置かれた状況を丹念に調べ上げ、作品に向き合う。描かれたものと描かれなかったものを検証し、想像力も駆使して絵の中の“怖さ”をあぶり出す。『怖い絵』シリーズ第2弾のテーマは【泣く女】。二人の父親に殺された王女ジェーン・グレイ、死化粧を施して微笑む美女、隠ぺいされた幼児虐殺、魔性の象徴となった処女、究極にデフォルメされた泣き顔……。ブレイク『レッド・ドラゴン』とベックリン『死の島』にゾクゾクした。2015/05/12
りゅう☆
120
1枚の絵が繰り広げる物語が壮大で興味深いものばかりなのに、掲載されてる絵が小さすぎて見にくいのが残念。あまり絵に興味はないのに、どんどん膨らんでいく妄想に実際の絵が見たくなる。何かと処刑、惨殺される中世ヨーロッパ時代は恐いね。ビアズリー『サロメ』に関心が湧いてワイルド作を読みたい本に登録。ボッティチェリ『ホロフェルネスの遺体発見』はグロくて、『ガブリエル・デステレとその妹』を見た瞬間、思わず驚いて目が点。しかしピカソってどんだけ女性関係が派手なのよ…(^^;)その中で生まれた傑作が『泣く女』なんだけどね。2018/10/27
bunmei
118
上野で開かれている『怖い絵展』行きたいけど、地方に住んでると、なかなか難しいかな。ここに紹介されている23点。見るからに断末魔の叫びが聞こえてきそうな、処刑の場面、サロメの挿絵、斬首された遺体などグロテスクな恐怖を煽る作品から、一見、何事もない肖像画や家族を描いたものまで様々。しかし、その作品の背景には、貧富の差から生じる強欲と悲哀、異教徒の争い、国家統制の為の厳粛な規制のような、当時の歪んだ社会が大きく影響されていることが分かります。西洋史を理解してると、もっと面白く鑑賞できるのでしょうね。2017/11/13
つーこ
118
このシリーズを読んでいると、世界史にどんどん興味が湧いてきます。難しい聖書も複雑なハプスブルグ家も多すぎるギリシャ神話も、彼女の本によってずいぶん知ることができました。今回の泣く女編で印象に残ったのは『カルロスⅡ世』とブリュールの『ベツレヘムの嬰児虐殺』。どっちも“泣く女”ではないんだけど、こんな不気味な絵、当分忘れることができなさそうです。2014/02/23
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