ナイトランド・クォータリー(別冊)<br> 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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ナイトランド・クォータリー(別冊)
妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

  • ISBN:9784883753536

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内容説明

「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ13編の書下し作品を、ぜひお楽しみあれ!

●巻頭言より

去る三月に本書と同じ「操觚の会」同志諸氏の協力で伝奇時代小説のアンソロジー「伝奇無双」(戯作舎)を電子書籍で上梓したが、その僅か一ケ月後にさらなる伝奇時代小説のアンソロジー「妖ファンタスティカ」をこうして紙媒体で刊行できるのは、伝奇ルネサンスを提唱した者として望外の歓びである。支持して下さった皆様にお礼申し上げる。

伝奇ルネサンスなる言葉に初めて接した方も多いと思うので、まず伝奇ルネサンスとは何かを手短に説明しよう。
伝奇ルネサンスとは一言で言えば作家の想像力を無限大にまで広げんとする企みである。

かつて國枝史郎・角田喜久雄・吉川英治らの働きで伝奇小説は時代小説の代名詞にまでなった。
(中略)
しかし万人がメディアとなり、読書が娯楽の王座を退いた現在、伝奇は過去のコンテンツと化したかにも見える。夢想も荒唐無稽も破天荒も過去の概念と成り果てたかのようだ。いつの間にか作家も読者も「夢見る力」を信じなくなり、想像力の可能性を語ることを躊躇うようになってしまったのだろうか。

否。「夢見る力」は失われたのではない。そこにあるものが見えていないだけなのだ。

伝奇ルネサンスとは「夢見る力」を復活させるための試みである。それは崇拝する者を失って深い眠りに就いた物語の神々を復活させんとする十九世紀の魔術結社「黄金の夜明け」団の儀式にも似ている。
その意味で伝奇ルネサンスを「魔術」と呼んでもいいだろう。奇しくも本アンソロジーの参加作家は十三名。中世ヨーロッパで魔女集会に集った者たちの数である。

されば宣言しよう。
ここに伝奇は甦り「夢見る力」はこれより大なる復活を遂げん、と。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サケ太

22
様々な“伝奇”が読めるというのは、やはり強い。幻想の世界へ誘われたり、現実の中にある不思議にゾクッとしたり。個人的には、朝松健著『夢斬り浅右衛門―ー小伝馬町牢屋敷死罪場』、蒲原二郎著『江都肉球伝』、坂井希久子著『万屋馬込怪奇帖 月下美人』、早見俊著『ダビデの刃傷』がお気に入り。次回の企画にも期待。2019/06/08

ろこん。

9
伝奇時代小説のアンソロジー。普段読まない時代ものが多くすごく面白かった!歴史好きにはワクワクするんじゃないかしら。聖徳太子や蘇我馬子など、授業で習ったけどなんだっけみたいな人たちが摩訶不思議でヒリヒリとした生き様を見せてくれるような。知らない作家さんばかり(ごめんなさい)だけど、どれも引き込まれてしまいました。こういう作品まだまだ読みたいな。2021/07/13

5〇5

5
「伝奇時代小説のアンソロジー。しかも全編書下ろしで読みごたえは十分だよね」 「そもそも伝奇時代小説って、歴史的な時代背景に奇想な要素を取り入れたものよね」 「そう、幻想、怪奇、SF、ホラーいろんな妖しい要素を取り込めるんだよ」 「ほとんどがお初の作家さんだけど、思った以上にワクワクで楽しめて、シリーズ化してほしい作品もありで、大満足!」2023/04/20

ちゅるふ

5
ナイトランド・クォータリー(本誌)が「洋物」メインで、こちらは「和物」メインかな。伝奇しよう、伝奇。2019/05/20

4
伝奇小説アンソロジーシリーズの第1集。全十三編収録。ボリューム的な制約は「2」の方がきつかったということなのか、収録作は二作の差ですが、ページ数では60ページ以上の差がついているのであります。設定年代の幅は古代から現在まで幅が広く、全体に薄味といいましょうか、やりたい放題の突き抜けた作品ということなら「2」の方が恵まれていたような。そんな中でも出色の出来栄えといえるのは秋山香乃「草薙剣秘匿伝」。浅野内匠頭の刃傷事件にとんでもない動機を持ち出してきた早見俊「ダビデの刃傷」も印象深い。星3つ。2021/10/22

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