内容説明
倭国を激しい地震が襲った。犠牲になった人々を慰めるため、推古天皇と蘇我馬子は、幼い宝姫王を齊王に任じた。一心に神に仕え成長した宝は、厩戸皇子の高い理想を胸に隋に向かう若き留学生、高向黒麻呂に出会う。互いに強く惹かれ合いながら、黒麻呂は旅立ち、宝は黒麻呂との約束を胸に一人待ち続ける。十五年が経ち、ようやく倭国に戻った黒麻呂だが、新羅の質として再び倭国を離れることになる。その前夜、ついに二人は一夜をともにするが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
46
推古天皇と蘇我馬子の時代。この時代のことはあやふやな上に、それなりに分厚い本だったので最後まで読み切れるか不安だったけれど、読みだしたら止まらない!そこかしこに陰謀の香りが、そして皆さま腹黒い。とくに蘇我馬子なんて真っ黒だ(笑)そことの対比効果もあってか、斎王の宝姫王(たからのひめみこ)の、なんと純粋なこと。真白く、神々しく輝いて見える。あぁ、もぅ、最後は黒麻呂ーーーっ、と心の中で叫んでしまった。2018/09/04
りー
10
橋本治さんも絶賛していた、超グランマ、皇極/斉明天皇をヒロインにした物語。序章です。面白かった!!この方、37歳で大后になった後、後の天智・天武帝を含む複数の子を産んで、自分が即位したのが49歳。重祚するのは60代!えぇ!?なんか「早く定年来ればいいのに」とか毎日思ってる自分を反省して正座してしまいました。すみません!大后になる前、他の男性との間に子があった、というのも史実なんですね。この巻は、そのあたりの恋を描いています。お相手の高向さんの今後がどう描かれるのか、めちゃくちゃ気になります。即予約。2018/08/29
くっちゃ
10
古代史小説を最近読んでいるけれど、そこで頻出する斎王や遣隋使達。でも彼らは時に後の権力者にお告げをしたり、使者本人ではなくそれらを使わした人間の偉業として片付けられがち。自分自身もそういう物語を読んでても彼らの心情に思いを馳せることなど全くなかった。だからこそ、自由を奪い去られ下界と隔絶される斎王と故国を離れ、故郷に戻れる保証もない遣隋使達をクローズアップした著者は視野が広く想像力豊か。少女マンガみたいな歴史物「風」な恋愛メインな物語かと思いきや、しっかり骨太な歴史小説に仕上がっているところも最高!2016/12/02
nori
5
Not like novels in middle and modern ages, I do not feel strange that characters were changed very different from so called historical fact [of 日本書紀]. If 斎宮 would have been located in 伊勢, author could not generate story. Her YouTube is very helpful. 2025/07/01
こにぃ
5
おもろかった。 最近読んだ本の中でもナンバーワン、ってくらい。 古代についてまた勉強してみよっと。2014/04/29