内容説明
三代目山口組・田岡一雄組長が戦後、山口組全国進攻の先兵として、「庶民に娯楽を」の名目で立ち上げた伝説の興行会社「神戸芸能社」の栄光の軌跡とその終焉を初めて描いた本作品。美空ひばり、鶴田浩二、田端義夫といった大物芸能人と田岡組長との知られざる関係が多くのエピソードと共に綴られている。歴史的資料となる戦後芸能史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
77
山口組三代目はヤクザではあるが、気質の人間には優しく、筋を通している。現代の政治家よりもよっぽど人間的魅力があるなと感じた。 しかし、暴力団は暴力団として考えなければいけないな。これが、資金源となっていることは確かなことだから。でも、もうこんな時代は来ないんだろうな。2017/07/19
fwhd8325
26
田岡一雄という名前は、子供だった私でも記憶にあるのだから、いろいろな意味で、存在の大きい方だったと思います。興業という世界は、やはり独特なもので、おそらく、今でも古い因習のようなものは残っていると思います。そして、だからこその芸能なんだとも思います。今のように、私たちと芸能界の境界が曖昧になると、見たくもない姿を見てしまうような弊害もあるんだと思います。文庫ながら、たくさんの写真を掲載しているのですが、その何枚かの組長の写真は、先頃話題になった、森友学園の方に似ているなと感じました。2017/07/26
緋莢
17
現在の芸能界の基礎を作ったといわれる伝説の興行会社「神戸芸能社」。戦後の一時期、日本の芸能界を牛耳っていた「神戸芸能社」の社長・田岡一雄は三代目山口組組長という顔も持っていた。美空ひばりをかわいがり、力道山とも親交があった田岡は、芸能・プロレス興行を次々と成功させていくが、警察の暴力団取締まりによって、窮地に立たされていき・・・2017/10/10
midnightbluesky
8
実録小説の体をとるより、ノンフィクションとして著したほうがヨカッタのではと思われてならない。それぐらい面白い事実。夢半ばで終わっているので、最後まで書いて欲しかった。2012/11/24
midnightbluesky
4
東映チャンネルで『山口組三代目』を見たんで再読した。 初めて読んだときには感じなかったんだけど、あまりにも偏った内容だしやたら写真も充実しているんでおかしいなぁと思ったら子息(故人)が資料提供していたのであった…。2020/12/17