内容説明
ニューヨークを飛び出し中西部に広がるラストベルトへ。再訪のロードトリップで見えてきたトランプ王国のその後を追う。都市と地方の中間に位置し揺れる「郊外」、さらには深南部(ディープサウス)に広がる熱心なキリスト教徒の多い「バイブル(聖書)ベルト」へ。四年半で一〇〇五人に取材した真のアメリカがここに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
283
よくここまで丹念にアメリカについて取材してるなぁと感じた。アメリカは本当にいろんな考え、人がいるし宗教、戦争が色濃く残っており、いかにトランプ大統領が彼らの心に食い込んでいったかがよくわかる。ベトナム戦争のPTSDは強い人がいるのが印象的。2020/07/31
ゆいまある
69
二番煎じでは無い。前作より面白い。今回はバイブルベルトを中心にトランプ支持者をより深掘りしている。そこで浮かび上がるのは知らず知らず、民主党が低賃金労働者から離れ富裕層に接近した事実。こうして見捨てられた人々が現れた。トランプは賢い。多くの人の不満に寄り添う言葉を掛けた。実際は自分のお友達を優遇する政治を行ったが、ポピュリストとしては優秀だった。この分断を埋めるには偏見を捨て、右派の声を聞くこと。そこで私は気がついた。私自身教養の無い人をどこかで蔑んでいたと。他人事ではない。KindleUnlimited2026/08/31
molysk
67
ラストベルトの白人労働者階級、トランプ支持に揺らぎが見え始めた郊外、敬虔なキリスト教徒が多い深南部バイブルベルト、そして帰還兵。大都市とは異なる「もう一つのアメリカ」の人々の声を伝えるルポの第3弾。共和党の党是である減税と規制緩和を実現するため、労働者に受けのいい言葉で支持を集めつつ、実際に何をするのかはとてもあいまい、という指摘には得心がいく。また、相手が見えないままの一方的な自己主張で、社会の分断が進んでいると感じる。昨今の警官による黒人暴行死への抗議デモの広がりを見て、暗鬱とした気分にさせられる。2020/06/14
skunk_c
66
前作もそうだったが、丁寧に取材地を決め、取材対象となる人と自然に関係を作り、先入見を与えないようにインタビューする手法が、こうした「生のアメリカ」を垣間見せてくれる。印象的だった言葉が「バブル」。これは経済のバブルではなく、自分たちのコミュニティの中だけでものを考えて状況判断してしまうこと。複数の語り手からこの言葉が出てくるところに、アメリカの分断状況がうかがえるが、これは今の日本でも同様だと思った。現政府批判者同士が語り合っても、あるいは他の立場の人たちが語り合っても、所詮はバブルの中に過ぎないのでは。2019/09/26
白玉あずき
59
著者は駐在期間が終わって帰国されている。今後も地道なルポを読みたかったな。コロナ後の社会、慣習、民衆の意識変化が反映されたルポ、誰か書いてくれないかしら。共和党と民主党という従来の分類が機能しない社会。政治や教育、マスコミが社会の統合に失敗するとこうなります。国民国家を維持するなら、「社会契約の結びなおし」をしなければならぬと、どこかで読んだ覚えが・・・・社会を纏めるのは法ではなく、慣習だとも。トマス・フランク氏のロングインタビューが読み応え充分。日本はまだまだ均一性が高い。サラダボールを纏める理念は??2020/05/17
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