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内容説明
敵艦への体当たり攻撃で還らぬ人となった20代以下の若者たち。彼ら特攻兵は何を思い、亡くなっていったのか。その現実に迫る一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
66
この著者の視点はいつも刺激的だ。手記や遺書などから見える特攻隊員の多様な意識や、家族、戦争中の特攻への反応を横軸に据えながら、縦軸には軍が特攻を行った真意をおく。軍(天皇も同意していた)は、特攻により1人でも多くのアメリカ兵を殺すことで、アメリカの戦意を喪失させようとしたこと、また、特攻を国内で賛美することで国民の飛行機増産を促そうとしていたという(後者は自己撞着の悪循環にはまる)。一方で特攻で死んだ若者の気持ちに寄り添いながら、死に向かわせた構図自体がある種のフィクションであったことを浮かび上がらせる。2020/01/28
おかむら
46
絶対死ぬ体当たり攻撃、に志願した(させられた)特攻隊員の心情、軍上層部の思惑、銃後の国民感情を各種資料から読み解く。今では考えられない戦前の人命軽視(アメリカとの差よ)。軍国教育の恐ろしさ。そんな中でも「アンデルセンのおとぎの国へ行って王子様になります」という遺書を遺した隊員や、基地の側に住む少女の日記の小悪魔的世界観などは、現在でも通じるものがあって興味深い。そして戦後の「特攻くずれ」呼ばわりの手のひら返しっぷりは日本人ってこういうとこあんだよなー。2020/02/19
matfalcon
32
御前会議で一撃講和を前提に「新兵器」としての特攻を容認していたヒロヒトは、アメリカが「新兵器(=原爆)」を投下すると「科学には勝てなかった」とぬかす。 あの特攻は何だったのか? 記者会見で戦争責任を問われ「言葉のアヤはわかりません。」とトボけた老人には大元帥の面影はなかった。 孫のナルヒトの誕生日までには読了したかったが、今日になった。2023/02/25
金吾
29
○特攻隊員の視点、国民の視点、軍や戦争指導者の思惑等興味深い切り口であり面白かったです。特に天皇を含めた戦争指導者の保身、特攻隊を総括しようとしなかった軍上層部の無責任、軍の特攻作戦の狙いは印象に残りました。2026/07/31
やっさん
28
戦時中の著書の多い著者の最新刊だろうか。日本軍が特攻という戦術を導入するに至った経緯、当の特攻隊員たちの心境、銃後の人々の受け止め方、大本営での受け止め方等特攻を様々な視点で切り取る。戦況が劣勢となった1944年に和平交渉を有利にするため、インパクトのある勝ちを求めて採用されたのが特攻であったが、目覚ましい戦果も米軍の士気低下も得られないまま制度化してしまう。特攻隊員も意気高かった初期から孤独感を募らせ諦めの境地になっていく。市民には特攻に懐疑的な者もいたが公然と発言はできず日記に書くにとどめている。2020/12/27
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