内容説明
季節は、やがて冬へ。閏間冴月を信仰する団体による襲撃ののち、拠点となっていた〈山の牧場〉を調査する空魚と鳥子たち。裏世界はいまだに危険な謎だらけ、でもだからこそ未知の探検の魅力にも満ちている。それぞれの想いが深まるなか新たな怪異が――ここから先はもう戻れない、女子ふたり怪異探検サバイバル!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
74
2019年12月ハヤカワJA文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。本作も文句なしに面白い。2019年ベスト・ワン級だ。空魚と鳥子の設定が楽しいし、世界設定も、展開も一級品。アニメ化おめでとうございます。2020/09/13
眠る山猫屋
65
「大好きだよ」この言葉が些か軽く、しかし着実に届く光景が美しい。閠間冴月の呪縛から解き放たれたとは言い難いが、鳥子の気持ちは少しづつ変わってきた。反対に空魚の方が(鳥子を巡る)気持ちを揺さぶられている。憎しみもまた、強い感情だから閠間冴月が介入する余地となるのか。禁后・パンドラや“山の牧場”のネットロアを経て、ふたりぼっちの裏世界探検は続いていく。温泉への小旅行では、巻き込まれた小桜がひたすら不憫(笑)お互いの百合心を把握し切れていない二人の保護者になってしまった小桜の苦悩が痛ましくも愛らしいよ(笑)2020/12/19
キナコ
60
ここに来てカルト集団の後日談。あまり活発に動いていなかったDS研にも動きが。新たな組織の介入、空魚の過去に起こった怪異との対峙。一気に進んだ気がする。現実世界でもどんどん協力者が増えてきているのは頼もしい。今回は新しい裏世界での発見は少なかったが、キャラクターの過去が掘り下げられていたのは楽しかった。2022/06/05
しまふくろう
57
続けて購入。表紙も挿絵も可愛らしくて良かった。温泉シーンの三人が可愛らしくて大変宜しい。 物語はカルト集団の後始末と空魚の過去に関わる話。前巻が切欠で変化した鳥子の行動が露骨で、温泉とかお泊りの話題に食いつく勢いの良さに噴き出した。 本当に空魚が狙われているのか、それともただの現象なのか、続きが楽しみ。2019/12/29
よっち
45
季節は、やがて冬へ。閏間冴月を信仰する団体による襲撃ののち、拠点の山の牧場を調査する空魚と鳥子たち。探検のため準備を進めていく中で過去最も恐ろしい脅威が静かに迫る第四弾。前回の事後処理を進める中で出てきた小桜を含めた三人での温泉旅行と、探索のための準備や試行錯誤を続ける中で明らかになってゆく鳥子の心境の変化。これまでの経緯からしたら別に不思議でもなかったですけど、いくらかけがえのない相手でも突然距離感変わったら戸惑うのも無理はないというか。二人の関係がどういう感じに落ち着くのか気になるところではあります。2020/01/22