内容説明
【電子書籍には特典として書き下ろしSSを収録】
大学卒業後、「滴水古書堂」という古本屋でアルバイトを始めた「私」こと楠田由宇子。普通の古本屋かと思いきや、店が取り扱う商品は、普通の流通ではまずお目にかかれない奇妙なものばかり。しかも、店主の古戸時久に持ち込まれる依頼の数々のおかげで、一般常識ではおよそ考えられないような奇妙な事件に遭遇することになるのだった。
ある日、滴水古書堂に古戸の大学時代の同級生の乾という男がやってくる。歴史学者の乾は、ある遺跡を発掘中に見つけた不思議な金属の写真を古戸に見せ、この物体の正体と知りたいと相談を持ちかける。かくして古戸と由宇子は乾の遺跡発掘に同行することになるのだが……。人類の不思議な進化を巡る「時代の墓碑銘」など、全4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
58
古書店の業務からどんどん離れてきたが、面白さは加速、楽しめた。異なる進化を遂げた蛇人間(イグ?)、眠りの国への魔術、猫たちの王国、宇宙からの侵略者。諸星大二郎からラヴクラフトまで巨匠たちへのオマージュともとれる物語群。古戸さんの異形(時折、半身が歪むような)にも慣れてきて、楠田さんの狂気にも耐性が。『にんげんがだいすき』の、おそらく虐待された猫の魔物に立ち向かう猫たちの勇敢さ健気さが胸アツ。月光の下、猫たちの王国に迷い込んでみたいよ。最終話、宇宙人ウラシマさんのメッセージがいつか同朋に届きますように。2020/05/11
はつばあば
47
(苦笑)古戸さんをモルダー捜査官にするには悪趣味ですが、女性捜査官スカリーを主人公に置いたなら、名状しがたき事件もXファイルに残るでしょう(^^;。古書は全く出ず、胡散臭い古書店のバイトより、文筆家として生計を立てようとする主人公に・・今の女性の逞しさを感じました。上下Unlimitedで読ませもらえます。よろしければどうぞ2022/12/06
ミャロ
18
※Kindle 2020年最期の読書。前回は、怪異を解決するものだが今回は、怪物を討伐しており「MIB」のようだった。2020/12/31
佐倉
16
縄文時代の遺跡から発見された鉄器と悍ましい古代人、不眠の人々が誘われる白い街、行方不明になった猫たちと徘徊する灰色の怪物、そして異星人。前巻よりもSF味やコズミックホラー味が強くなって面白かった。にんげんがだいすき、と発声しながら徘徊する怪物の不気味さと猫ちゃんの可愛さが印象的な『にんげんがだいすき』、人間の脳を入れ替えて支配する宇宙虫の悍ましさ、地球に取り残されたセミ型の宇宙人との少しずれた交流のコミカルさが印象的な『一万年の光』が面白かった。2025/04/04
秀玉
10
この読書感覚は何なのだろう。これは超常現象のXファイル本か、はたまた怪奇現象本か、探偵ものなのか。そもそも店主の古戸とは何者か。1巻目を読んでいないので、わからない。店主は左か右半身が妖怪じみているのか。そしてケガをしても、ひどいことにならないらしい。喰われるか、形がなくならない限り生きているらしい。店員の女性、店主を喰ったような会話がおもしろい。この女性店員は店主の古戸を人間扱いしていないのだ。それにしても、ここで起こる事件はなんともすごい。こんな小説好きです。どうして古書堂?1巻目も調達します。2021/07/19
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