内容説明
奇想天外、荒唐無稽を地でゆく、恐ろしいまでの面白さで、一世を風靡(ふうび)した「風太郎忍法帖」の傑作短編集。 幕府のお庭番の変装所・大丸屋の娘が、秘命をおびたお庭番に恋する「忍者枝垂(しだれ)七十郎」。斬られても、その刹那すぐに溶けあって肉体がつながる忍法を会得している男が、仕官志望の男に勝負を譲って、相手の妻を譲り受ける「忍者枯葉塔九郎」など。現在入手不能の、天下にその名を轟かせた異色作8編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
5
忍法の華やかさという点では少々控えめながら、設定を駆使した人間模様・忍者達の生きざまが哀しかったり凄まじかったり。2016/08/18
山田隆
0
せがわ版の予習として。全8編中、表題作を別にすれば「枝垂七十朗」と「明智十兵衛」が面白かった。まず枝垂七十朗。甘く危険な香りを漂わせる美貌の男と、平凡だが誠実で優しい夫との間で揺れる女心、と書くとレディコミみたいだが、これを山田風太郎が描くとこんなにも血生臭い話になる。そして明智十兵衛。主人公が明智という時点で結末は決まっている訳だが、あの造反劇も山田風太郎が描くとこんなにも奇怪でおどろおどろしい話になる。2011/11/13
イコ
0
これ読んだ後にくのいち~を読んだので、ちょっとした繋がりを発見できて面白かった。