内容説明
【第7回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作】遥かな昔、大地の上で人が住む十二の地域は系(けい)と呼ばれ、神と人との間に生まれた神人(かみびと)を支配者として戴いていた。系から隔絶されたアタの山に住む少女シャサは、ある日集落が襲撃を受けたことで多くの仲間を失ってしまう。壊滅した集落に迷いこんだ少年ナギの協力を得て、シャサは姿を消した四人の仲間を探し、まだ見ぬ外の世界へと旅立つ。シャサたちが訪れた、神人メネが治める『銀鱗』、神人イナーが統べる『暁』などの系では、ある噂がまことしやかに囁かれていた。 曰く、この雄大にして堅固な大地はまもなく海中に没すると――。時を同じくして、神人タニャを担ぐ『蛇』が勢力拡大を狙って大侵攻を開始。危機迫るなか、シャサは思いもよらぬ力を発現させ、世の理に干渉してしまう。その行いが、世界と神人の真実に迫るとも知らずに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
20
★★★☆☆第7回ハヤカワSFコンテスト特別賞。てかなんでこれがSFなの、今どきそこらにありふれたファンタジーじゃないの。まあ『2001年宇宙の旅』に感動するような相手になら通用するのかもね。とにかく長すぎて退屈!!P418で「無数とは、いくつだ」ってあるけれどそれは作者自身に問いたい(笑)。数十も数百も数万も全部「無数」って言葉で済ませてきたあんたが言うなよ、って。言葉に神経の行き届かない作者の常套手段で「無数」を連発する文体にまずはゲンナリ。同じ言葉を使うのは幼稚だと小学校の作文で習わなかっのかなあ。2020/03/22
記憶喪失した男
11
文章はきれいで、格好いいことばがたくさんあるんだけど、物語の構造に骨がなく、読んでいてもまったく面白くない。上手な小説ではあるのだが、おれの好む独創性に満ちた空想科学とは対極にある雰囲気SFだなあと思った。2019/11/28
Eiko
5
疲れ切った脳にはちょうどいい。さらっと読むにはちょうどいい。難しい言葉もあまりなく、スッスと読めて大団円は安らぎすら覚える。コロナ禍の最中、希望へと続く物語はありがたい。どこかでこんなお話読んだなとか、ご都合主義かなという事は、このご時世なのでどうでもよいことだった。面白かったし・・・。2020/04/03
イツキ
4
読みにくい…とはちょっと違うかもしれないけど、とにかく淡々として読んでて楽しくない文章で、正直読んでて怠かった。場面転換・視点の切り替わりが頻回で集中しにくい上、場面が変わると「いつの間にそんなことに?」って思うことがしばしば。繋ぎのシーンを端折りすぎなんだよ、探してた仲間との合流とか本来見せ場のシーンじゃないの?そこで手を抜いたらそりゃ盛り上がれませんわ。色々書きたいことはあるんだろうけど詰め込みすぎで一つ一つを端折りすぎって印象。そして主人公?のはずのナギの影が薄い。色々惜しい作品。2021/06/15
めぐみこ
4
ボーイ・ミーツ・ガールに世界の謎の解き明かし、面白かったけど、SFかと言われたら疑問。あと勾玉とか守り人とか影の王国とか進撃とか、既存の作品がチラつくので、もっとこの著者の個性を活かした世界が読みたい。アタの場しか知らず無垢で怖いもの知らずのシャサが、ナギとの対話や旅先での交流で変わってゆく展開は、王道だけど好き。2020/11/05