内容説明
「嫁に行くがよい」大身旗本の娘けいは、ある日突然、父親から嫁ぐよう命じられる。
相手はなんと博打打ちの遊び人。しかも武士の暮らしを捨てたという―男の名は遠山金四郎。
覚悟を決めて金四郎を訪ねたけいだったが、目にしたのは、口は悪いが老若男女から頼りにされる金四郎の姿だった。
そんな矢先、近隣で殺しが発生。なぜかけいも探索に付き合うことに……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
123
金四郎の妻ですがシリーズの1作目。 2019.08発行。字の大きさは…中。 これも「うちの旦那が甘ちゃんで」と同様に、設定が面白いです。 遠山の金さんと言へば、江戸北町奉行の桜吹雪が定番ですが、今回は、金さんが遊び人の時の設定。 そして、百人組組頭であった堀田一知の妹けいと結婚する前という設定。 堀田けいは、父の求めに応じて金さんの所へ押しかけ女房に行く。 けいは、美人で4千石の旗本の御姫様それが住まいの舟宿・舟八で看板娘、肩に入れ墨をして賭場の壺ふり、事件の探索と大変な設定です。 次作が楽しみです。2019/11/14
ジュール リブレ
51
昭和の時代劇の定番、遠山の金さんが、奥さん視点で令和に戻ってきましたね 笑。桜吹雪を散らせながら、隣で片肌ぬいで芍薬の花。看板娘の啖呵の切り方、お見事です。江戸の粋を眺め続けてみたいですね。2019/12/15
真理そら
51
思いがけない視点からの遠山金四郎物語。金四郎もけいも史実通りなのに話の内容はえっ?と思うような大胆さ。けいのもたつきっぷりが楽しい。続編が楽しみ。2019/08/29
はつばあば
50
?遠山の金さんじゃなくて妻?。そりゃ金さんとは言え立派な武家の息子、嫁がいてもおかしくはない。嫁の存在感すら漂わなかった「遠山の金さん」。いやぁ面白く読ませて頂きました。旗本の娘が父親から「嫁に行け」と言われた先は遊び人。その遊び人を武士に戻せと。この娘おけいさんは勝負が好きである。その話ノッタ!と町娘の形をして金四郎を探しに。杉良太郎・松方弘樹・中村梅雀と俳優さんは変わりましたがこのおけいさんに合う相方は誰がいいだろうと。女優の中でおけいさん?。おこがましいながら自分を念頭に置いてました(#^^#)。2022/11/29
タツ フカガワ
44
初読みの神楽坂淳本。四千石の大身旗本堀田家のけい姫が、遠山家を飛び出して遊び人になっている金四郎のもとへ嫁にしてくれとばかりに押し掛ける。とはいえ二人は初対面。この能天気さ、世間知らずさが本書の面白さか。本書の8割ほどがダイアローグだからか、あっという間に読了。ちなみに終章で金四郎がおけいに教える豆腐飯、これ旨いです。2020/05/06