内容説明
古代文明の誕生地、黄河流域に源を発する中国の歴史を知らずして世界史を語ることはできない。悠久五千年にわたり広大な大陸に展開された数々の王朝の興亡と人民の歩みを、アジア全体、さらには人類史の視点から、著者多年の蘊蓄を傾けて描いた簡潔な通史。上巻は三国時代の到来まで、中巻は元の滅亡までを述べる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
12
中巻は西晋から元までを扱う。この時代は五胡十六国、南北朝、隋唐、五代十国と分裂・統一が繰り返された中国の中世時代。鮮卑族による中原支配などの異民族の動向が中国社会・文化にいか深刻な影響を及ぼしたか、などが宮崎市定先生の著書よりさらに深く理解できたと思う。2022/05/03
おらひらお
5
1969年初版。中巻は西晋から元までの通史です。コラムの入れ方がやや難かな。2013/10/30
かみかみ
3
中巻は魏晋南北朝時代から元代まで。鮮卑が中国史に与えた影響の大きさや世界帝国たる唐王朝のスケールを思い知るなどした。2023/12/21
式
2
唐代は人口が少なくて開元の治以降に・ようやく隋代の人口を超えたというのが意外だった。突厥など唐代の諸民族の歴史にかなり詳しく、驚くほど広範囲の世界帝国に圧倒される。吐谷渾が鮮卑系なのは驚き。唐の使者なのにインドの内乱を吐蕃を動員して平定した王玄策凄すぎ。五胡十六国は楽しいが五代十国は難しい。宋元明は特に知識が弱いところなので結構大変だった。王安石の新法を高評価している。2021/03/08
MUSAN11383594
1
中巻は西晋の成立から元の滅亡まで。作者によると中国史上初めて元が中国の地理的孤立性を突破し、外に向けて膨張した時代だそうだ。ちなみに2回目は中国共産党のイデオロギーが世界に波及したことらしい。清は地理的孤立性を打ち破れなかったのか疑問に思ってしまうが、上巻と同じく読みやすい。2021/02/15