文春文庫<br> ポリティコン 下

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文春文庫
ポリティコン 下

  • 著者名:桐野夏生【著】
  • 価格 ¥730(本体¥664)
  • 文藝春秋(2019/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167900250

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内容説明

充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か?
芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!

唯腕村理事長の息子、高浪東一は、父の死をきっかけに、村の理事長となる。女を強烈に求め、利益を増やすことに執着する東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだマヤは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か、それとも――。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!

解説・原武史

※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(下)を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

325
何があったの?と気になる部分が、丸々時間が飛んでウヤムヤになっており、第二部での各人物の関係性が、やっつけに感じてしまった。一部のラストで真矢が売られて、二部で復讐劇の開幕…とはならなかったが、この展開も嫌いではない。というよりも、真矢の方もなかなか図太い神経しており、一概に被害者とは言えなくないか?と思ってしまうのはダメなことなのだろうか。変に善悪に綺麗すぎることない視線がとてもバランス良く、だからこそ、ラストで二人が打ち解ける場面も納得感があるのだろう。2020/08/31

ehirano1

85
勝利でも救済でもなく、ただ「生き延びる」という結末がとても印象的でした。これは「象徴的な破滅」なのか「救いのない解放」なのか・・・。また、「理念→欲望→暴力→崩壊」という典型的なディストピアに「人間は理想よりも欲望に動かされる政治的動物である」が共存しているもしくは、内在的論理であるように思いました。2026/07/05

k5

71
解説を読んで大本教に触れてあったので、なるほど高橋和巳の『邪宗門』の千葉がクズだったらこういう話になるかもな、と思いました。東一は後半、クズさが突き抜けてミーチャ・カラマーゾフみたいなことを言い出してますね。2020/10/02

ito

66
想定していたダークでグロテスクな気分になることはなかった。むしろ少しほっとした。互いに憎み合う壮絶な愛憎劇は、良い意味で裏切られた。不器用で社会の下層で懸命に生きることしかできない二人が、10年の歳月を経てたどり着いた境地は意外な感じがした。上巻で好きになれなかった東一だが、下巻では憎めない一面も見せる。対立しながらも、小さな共同体で支え合って生きる人々が最後にはいとしく思える。それにしても、高齢化や過疎化、食の安全、地方の経済事情などの問題を、閉鎖的な社会の群像劇で描ききる桐野さんを私は尊敬する。2014/05/25

sayan

47
著者の桐野は本作に対して「私は白黒つけがたい、善悪がわからない、そんな薄気味悪い中間地点にいるような人が、好きなんですね。」とインタビューで答えている。本書では、「そんな登場人物」だらけで、新たなユートピア今後を「直接民主主義制」に委ねる。一種の思考実験小説と割り切って極端な展開になると予測しても、実際はそれ以上にスリリングで刺激的だ。それぞれの登場人物が口では「国家」や「大義」を語るも、裏付けのある行動が非常に「個人的」で、そのギャップが可笑しくも、現実社会と大差ないのだろう。(当然、自分自身を含めて)2018/02/10

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