文春文庫<br> ポリティコン 上

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文春文庫
ポリティコン 上

  • 著者名:桐野夏生【著】
  • 価格 ¥740(本体¥673)
  • 文藝春秋(2019/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784167900243

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内容説明

充たされぬ魂の行き先は、破滅か、新天地か?
芸術家たちの理想郷「唯腕村」を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!

理想社会の実現を目指し、東北の寒村に建設された唯腕村は、もはや時代遅れとなったユートピア思想の残滓である。村の人間関係に倦み、強烈に女を求める青年・高浪東一は、謎の男と村に流れ着いた美少女・マヤを我がものにしようともがき、自らの運命を狂わせてゆく。
ユートピア思想の崩壊、性の乱れ、高齢化――様々な問題を抱えた村は、徐々に綻びを見せていき……。

※この電子書籍は2011年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版(上)を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

376
桐野夏生氏の作品は一筋縄ではいかないくらいの多様性を持っているのだが、それにしても本書は上巻を読む限りでは異色作だ。武者小路実篤等の「美しい村」のような理想の農村を夢見た人たちが作った唯腕村。そこは、今や老齢化と過疎化という日本の農村の縮図と化していた。主人公は、村の再生を賭ける東一だが、桐野作品にしては、ここまでのところきわめて地味だ。もっとも、終盤では不穏な気配が漂い始めてはいるのだが。下巻では、これぞ桐野の真骨頂といったエゴが剥き出しに描かれていくのだろうか。長い助走の行き着く先は…。2019/02/19

W-G

307
超久々の桐野夏生。ずっと積んだままになっていた一冊。あらすじ読んだだけでもかなり面白そうなのに、何故かずっと放置していた。設定と人物配置が凄く良く、村内で沸き起こるあれやこれやのトラブルが、さもありなんと納得出来るリアリティを持っている。年寄り連中との派閥争いなんかは、どこにでも転がっていそうな火種。東一が一旦東京に出て、戻ってくる時に安物のスーツで恰好つける様子なんかも、微笑ましくも生々しい。どういう着地になるのか次第だが、今のところ下巻が楽しみ。2020/08/29

k5

74
コミューンもの。白樺派の小説家が築いたトルストイアンの集落の、三代目の話。あまり派手なエピソードがあるわけではなく、指導者の息子、東一の視点から彼の生い立ちと集落の物語が描かれるだけだが、それでもじわじわ惹きこまれる筆力がすごいです。上巻は東一が理事長になり、農業のブランド化を図るところで終わりますが、これからどうなるかしら?2020/09/27

yomineko@猫と共に生きる

72
偶然図書館で発見。東北に立つ唯腕(イワン)村。28歳のトイチのみが村に残り、父の後を継いで理事長に。様々な人物が絡み合ってどうなるかというワクワク感もあり、とても面白い。美少女マヤは性格が悪くてガッカリwスオンなどの外国人女性達はとても魅力的。村を裏切っている山路夫妻、トイチに無利息融資を持ちかける小杉等が現れ下巻がとても楽しみ!2022/12/31

ito

62
7‐8年ぶりの桐野作品。ユートピアを目指して作られた山形の唯腕村(イワン村)という農業共同体において生きる人々が描かれている。桐野さんの作品では見たくない人間の業を堂々と見せつけられる。共同体での汲々とした生活と外界への憧憬、自己欺瞞や虚栄心、激しい自意識と魂が向かう先にあるのは果たして理想郷なのだろうか。若き後継者から清々しさや強力なリーダーシップは感じられず、理想郷を建設理念とした共同体が絶望郷へと向かっていく予感だけが、圧倒的な筆致で綴られる。生々しい桐野ワールドである。2014/05/24

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