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内容説明
従来の経済学は完全に合理的な人間像を想定してきたが、そんな人は地球上に一人もいないのでは?根本的な疑問を抱えた「ぐうたら」経済学者は、意思決定の不合理を探求する心理学者たちに出会う。彼らとの協働はやがて「行動経済学」という新たな学問へと結実していくが、それは同時に、学界の権威たちとの長きにわたる戦いの始まりだった……。ノーベル経済学賞を受賞した異端児が、行動経済学の軌跡と喜怒哀楽を語りつくす!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
37
サミュエルソンに代表される近代経済学が前提とする効用を最適化する人間像「エコン」に現実の人間「ヒューマン」が必ずしも合致しないことに着目する行動経済学のパイオニアの半自伝的な入門書(?)かな。カシューナッツがよっぽどお好きと見える。早い話が、一般消費者がどんなときに「お得」と感じるか、どんなときに「ぼったくられている」と感じるかを調査して理論化したのが著者の業績。行動心理学+経済学=行動経済学。「あるある理論」だが「とんでも経済学」と呼ぶ人もあるユーモラスな研究でノーベル賞が取れたのにはびっくり(笑)2019/11/28
あつお
11
理論と実践の違いを正す戦いの本。 従来の経済学では、人間を合理的な生き物「エコン」としていた。しかし、人間は感情で動く生き物「ヒューマン」。故に、説明不能な事態が発生する。 行動経済学は心理的な面から経済学に疑問を投げかける。例えば、「メンタルアカウンティング」。普段150円のビールでも、旅行中の高級ホテルにおいては1,000円で購入する。出処は同じ銀行口座でも、心理的な会計が異なるのだ。 複数の学問を融合し、新たな発見を得る過程は興味深いもの。まずは日常において、自分自身のバイアスを察知したい。2022/02/09
J・P・フリーマン
10
従来の経済学の理論はあまりに合理的すぎて、非合理的な行動ばかりとる人間には合わないらしい。そこで「ヒューマン」に適した「行動経済学」という学問が出てくることとなる。ノーベル経済学賞を受賞した著者が、自らの半生を交えがながら行動経済学とはなんぞやを教えてくれる。2019/12/22
roughfractus02
6
本書は自伝形式で行動経済学の成立を辿る。数学理論でできた合理的経済人を「エコン」と呼び、不合理な行動を繰り返す「ヒューマン」と区別する著者は、ロチェスター大学院時代から後者のデータを集めてリストしていく。財布が一緒の夫婦がいる。欲しいと思うが高いので買わずじまいだったセーターを妻からプレゼントされると夫は喜ぶ。が、夫は不合理ではないか?そんなデータを集め、不合理な傾向を持つ行動が経済を動かすという確信が増す中、カーネマンらのプロスペクト理論と出会って研究室に出入りし、古典派経済学との議論に参入していく。2020/08/16
読書熊
5
自叙伝、半生記のようでいて、セイラーさんが辿った研究、出会った他の研究者の視点が網羅されていて面白い。プロスペクト理論や保有効果といった、行動経済学のエッセンスが確実に学べるのも素敵なポイントです。2019/11/24
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