徳間文庫<br> 緋色の華 新徴組おんな組士 中沢琴 下

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徳間文庫
緋色の華 新徴組おんな組士 中沢琴 下

  • 著者名:黒崎視音【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 徳間書店(2019/08発売)
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  • ISBN:9784198944919

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内容説明

(上下共通)あの土方歳三も一目置いた美人剣士、中沢琴!
「おまわりさん」の語源は、新徴組にあり。
浪士組募集の檄文に応じ、法神流をひっさげて臨んだ伝通院での立ち合い。女と侮る男どもを徹底的に叩きのめして名をあげた琴。清河八郎らが立ち上げた新徴組に加わり、幕末の動乱期、幕府方の有力武闘集団として京、江戸、奥州で激闘を繰り広げる。
お国のためにという少女の純粋な思いは、やがて時代の激流に飲み込まれ、正義の在り方を問う苦いものに変わってゆく。いつの間にか自分たちが朝敵となって追いつめられる理不尽さとも闘いながら、目の前の敵を斬り伏せていく琴。その姿は健気で美しい。
赤城山の麓、利根郡穴原村に生まれ育った中沢琴。法神流を受け継ぐ家に生れ自身も研鑽に励み、身に着けた剣術は豪放にして苛烈。男でも敵うものは少ない。腕を買われ異例の抜擢をされた琴だったが、立ち上がったばかりの新徴組での勢力争いなどに翻弄される。そんな彼女は、ひそかに慕う土方歳三とともにあることを喜びとしながら、組士としての任務に精を出す。しかし、新徴組の存在自体が時代の鬼っ子となりつつあるとき、土方は京に新選組として残ることになり、琴の淡い恋は消える。江戸に戻って市中見廻りに精勤する琴たちは、いつしか江戸の庶民たちに「おまわりさん」と呼ばれ頼りにされるようになる。そんな琴らを悩ませていたのが、薩摩藩士たちによる狼藉だった。
彼らは江戸を騒乱状態にするために罪もない民衆から略奪し殺戮を繰り返す。ある日、琴が親しくしていた町家に押し込みが入り家族が惨殺された。その首謀者は討幕の大義とは縁の薄いただの異常殺人鬼・弓張重兵衛と判明。新徴組による三田薩摩屋敷襲撃の際に弓張を取り逃がした琴は、どこまでも追い詰めることを誓う。しかし、錦の御旗を掲げる薩長討幕軍の勢いは物凄く、新徴組も江戸から奥州へと落ちてゆく。庄内藩として戊辰戦争を戦うことになった新徴組は各地で無敵を誇るが、いかんせん多勢に無勢。しかもいまや朝敵。明日をも見えぬ戦いの中、琴は宿敵弓張とついに剣を交えることになる。果たして復讐は成就するのか 
第九章 身分にかかわらず斬り捨て苦しからず候。されど…(盟友ら無念の切腹に涙す)
第十章 黄昏(弓張重兵衛、殺戮の限りを)第十一章 落日(土方との再会。大政奉還)
第十二章 動天(西郷隆盛の策謀)
第十三章 薩摩藩邸焼き討ち
第十四章 庄内下り(奥羽越列藩同盟)
第十五章 破軍星旗のもとへ(宿敵弓張との血闘)
終章(故郷へ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

4
心から読んで良かった。新徴組のことも中沢琴のことも全く知らなかったし。次回作が楽しみ。2019/10/31

しびぞう

4
素晴らしく読みやすい文体だった!賊軍視点の幕末もの、しかも庄内藩寄りのものはなかなか無いので、藩士末裔としてはありがたく読み進めた。新徴組については明治期の松ヶ岡開墾場における集団脱走の影響が大きく、それ故に幕末の江戸での活躍や戊辰戦争での強さについて声を大きくすることが出来なかった感があるのだが、この作品を機にその存在が見直されれば、と思う。2019/09/12

せいこ

3
幕末に女性剣士として活躍した中沢琴さんの伝記本。恥ずかしながら新徴組すら知らなかった。。当時では珍しい自分で選択して人生を歩んだ人。生き様格好良かった。2021/10/11

好奇心

1
中澤琴と新徴組の活躍読ませて頂きました、頭の中で琴さんを想像しながら、新政府・旧幕府入り乱れ大変な時代だったことが想像できます、市民にとっては不安で迷惑だった? 戊辰戦争が様子が詳細に描かれており、小説と言うよりも歴史書とも感じました、身分階級の厳しい時代に女性が戦の第一線で活動した事実は稀有のことで、言葉ではうまく表現できない、嫁にも行かず・長命で美貌で・自分よりも強い人にしか嫁がないとの信念・・お疲れ様でした 明治・大正・昭和はどう映ったでしょうか?2022/09/22

nonbiri nonta

1
幕末、浪士組から派生し京に残ったのが新撰組。そして江戸に戻り庄内藩支配の元江戸の治安に当たったもう一つの新撰組、新徴組。そこに一人の女剣士がいた。 倒幕に向け江戸の街でテロリズムに走る薩摩藩の江戸屋敷に庄内藩が焼き討ちをかけ、それが薩摩を中心とする新政府の倒幕に拍車をかけたという話は既知だが、庄内藩支配下で活躍するもう一つの新撰組があったのは知らなかった。 新撰組と会津のペアはドラマでもよく語られるが、もう一つの親幕派新徴組と庄内のドラマも見てみたいと思った。2020/01/29

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