暁天の星

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暁天の星

  • 著者名:葉室麟
  • 価格 ¥1,600(本体¥1,455)
  • PHP研究所(2019/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569842912

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内容説明

本書は故・葉室麟が最期に書きたかった「近代」に挑んだ作品。「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら書き続けた物語である。明治新政府で外務大臣として欧米列強と対峙し、不平等条約の改正に尽力した陸奥宗光――。日本の尊厳を賭けて強国に挑んだ陸奥の気概は、どこで育まれたものなのだろう。陸奥が生まれたのは幕末の紀州。坂本龍馬に愛され、海援隊で頭角を現し、明治新政府では県知事などを務めたが、政府転覆を企てたとして投獄されてしまう。そんな不遇の時代を経て、伊藤博文内閣のもとで外交官として、その才能を花開かせる。外務大臣となった陸奥は、日本を欧米に伍する国家にすべく奔走するのだが……。本書は残念ながら未完。しかしながら葉室麟の溢れる想いが感じ取れる貴重な作品でもある。陸奥宗光のその後は、解説の細谷正充氏が、連載中の想いは長女の涼子氏が紹介。坂本龍馬の姉を描いた短篇「乙女がゆく」を特別収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

263
葉室さんの逝去に伴って未完となったが、読みごたえは十分だった。幕末明治の傑物・陸奥宗光が主人公で坂本龍馬との出会いと別れのシーンが、心に沁みる。陸奥の父と面会するため自宅を訪れた龍馬は、なんと玄関前で立小便。それを見ていた陸奥と龍馬のやり取りが、映像が目に浮かぶくらいにリアルかつ、笑わせてくれた。また、その後の二人を象徴するような余韻もたっぷり。ゆくゆくは司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に迫る龍馬物語を書いてくれる、と信じていただけに、葉室麟の死が惜しまれる。2021/06/22

starbro

189
故葉室 麟は、新作をコンスタントに読んでいた作家です。未完絶筆の本作こそ、遺作・最後の長編でしょうか?陸奥宗光の物語を読むのは、初めてです。陸奥宗光の妻、亮子は、鹿鳴館の華、美貌の女性でした。 https://rekijin.com/?p=30737 私は鹿鳴館に少なからず縁があります。著者の新作がもう読めないのは、寂しい限りです。 2019/06/22

ナイスネイチャ

131
図書館本。著書の最後の作品。陸奥宗光という不平等条約の改正に力を注いだ話。未完だと思うが、伊藤博文の女好きの悪評をあんな違った切り口で描いてたのは新鮮でした。陸奥の龍馬愛が溢れているのも感じ取れて楽しく拝読させてもらった。2019/07/11

ひらちゃん

61
葉室凛さん、もっともっと書きたかったでしょう。闘病しながらもこれだけはと書き続けたのは陸奥宗光の半生。歴史的記述も多く、力のこもった作品に圧倒されながら読みました。残念ながら未完ではあるけれど、悩みながらも暁天の星を見つけた陸奥の、歩く道が照らされた所まで読めて良かったと思います。「曙光を旅する」で日本の近代化を追いたいとの思いを明確にし、意欲に燃えていたでしょうに残念です。特別収録の「乙女がゆく」。龍馬の姉乙女の貴重な第一歩は大きい。こちらも良かったです。2019/07/21

baba

52
一昨年急逝した葉室さんの新刊が出ていたので読んでいる間は、亡くなられたことが実感できませんでしたが、絶筆した今作が出版され、いよいよこれが最後だと寂しい。時代物、歴史物の著者が近代の歴史を描いていきたい気持ちが伝わり、書きたい事がまだまだあったであろうと悔やまれる。不平等条約の撤廃を求める陸奥宗光と支える夫人の睦ましい様子が心に残る。さあこの先は、<未完>この本を出版して下さったことに感謝です。2019/07/29

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