内容説明
駐車場から掘り起こされた遺体は、シェークスピアが嫌ったあの国王だった! DNA分析を駆使する分子遺伝学が世界史を書き換える!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
110
私の苦手な生物分野でDNAということを中心にみんなが知っているような人物たちを登場させて興味を持たせてくれています。そういうことでは成功しているのでしょう。私も結構この分野の本は読んできたつもりですが依然として明確に理解しているという意識は持っていません。この中に時々収められている挿話的な話(例えばホームズ役者のベネディクト・カンバーバッチが王室の血を引いているとか)が楽しめました。2024/01/30
ケイ
108
「遺伝子」の話である。作者の経歴からもそちらが専門のようだ。単にDANやメッセンジャーRNA、ミトコンドリアの事など書いても興味を持つ人は少ないだろう。しかし、これが王家絡みとなると、それがわかりやすい事例となる。日本の皇室でこれは出来ないだろうな。そう思えば、イギリス王室は開かれているのかもしれないな。シェイクスピアを嘘つきと書くのは、言葉のあやでも、ォィォィと思う。種本として、トマス・モアのリチャード三世があることも書いてられるのに。やはり、注意を引くためだろうか2024/01/15
まーくん
95
歴史好きの主婦が駐車場の地下に、500年以上も行方不明とされていた英国王リチャード3世の遺骸の存在を突き止めた実話に基づく映画「ロスト・キング」に触発されての読書第四弾。歴史の謎解明に使われたDNA解析の話を理系ブルーバックスで。いかに発掘された「駐車場の王様」の遺骸がリチャード三世であることを特定したか?彼には遺児がおらず家系が途絶えている。嫡男エドワードは早逝、庶子ジョン・オブ・グロウスターは薔薇戦争終結後処刑され、もう一人の女性の庶子も結婚後直ぐに死亡。リチャード三世の系統は完全に絶たれてていた。⇒2023/10/20
へくとぱすかる
88
サブカルチャーな話題が読みたいなら、第2章を飛ばす手もあるが、ここに遺伝子に関する基礎知識がやさしく書かれているので、以後の理解が深まっておもしろくなる。読むのがおすすめ。ツタンカーメンくらい古くても、俺がファラオの子孫だ、云々のトラブルがあるというから、科学研究と倫理との問題はなかなかに深い。「駐車場の王様」のニュースは聞いていたが、シェイクスピアも巻き込む後日譚はさすがに知らなかった。2019/11/07
南北
63
Y染色体とミトコンドリアDNAから遺体の身体的特徴やある人物の子孫かどうかがわかるというお話です。リチャード3世やエジプト王家の人々、トーマスジェファーソン等を取り上げて解説しています。DNA解析は伝説や伝承を覆すこともありますが、決して「魔法の杖」のように何でもわかるわけではなく、「語り得ないこと」があるということを知ることができました。2019/10/23