内容説明
自分をイギリス人とは認めないイギリス社会のなかで、カリブからの移民の息子としての自分とは何なのか。個々の作品のテキスト分析から、作品世界に流れるテーマとその展開を明らかにする。
目次
第1部 キャロル・フィリップス論(現代イギリスとカリブ移民の歴史―第二次世界大戦後から現代まで;キャロル・フィリップス―作家としての歩み;初期戯曲『奇妙な果実』を読む;『最終航海』とカリブの負の遺産―カリブからイギリスへの旅路;『独立の状態』―帰還、挫折、そして和解;『より高い土地』論―黒人とユダヤ人の過去と現在;『ケンブリッジ』におけるカリブ奴隷制と人種主義の虚構;『クロッシング・ザ・リバー』―歴史の闇に探る語れざる黒人ディアスポラ;『血の性質論』―ヨーロッパのよそ者たち)
第2部 ブラック・ブリティッシュ文学の展望(イギリスのディアスポラ文学近況―日本からの視点を踏まえて;ブラック・ブリティッシュ作家・研究の現在)
著者等紹介
加藤恒彦[カトウツネヒコ]
1947年生まれ。立命館大学・国際関係学部教授。「黒人研究の会」会員、『黒人研究』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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