内容説明
アメリカの先進性と植民地の悲惨さを目に焼きつけて、世界周航から帰国した玉虫左太夫は、仙台藩士に戻り、西国の動向を探る。坂本龍馬、勝海舟、松平春嶽、久坂玄瑞らと会う。政変は続き、薩摩と会津が手を結んだかと思えば、薩摩は朝敵だった長州と組み直し、倒幕へと突き進んでいく。新政府軍優勢の中、佐幕派の多い奥州をひとつにまとめ、一気に近代化を進めようと玉虫左太夫は孤軍奮戦するのだが!? もうひとつの幕末維新史!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はかり
18
内容はよく理解できるし、登場人物は知っている偉人が多い。しかし、主人公の玉虫左太夫はまったく知らなかったし、奥羽列藩同盟というのも知らなかった。幕末、維新の史実をよく知らないというのは問題だろう。ほんの百年ほど前の話なのに。いずれにしても変人・奇人なのは西郷隆盛だろう。2021/09/02
mam’selle
14
この作家さんにしては珍しく実在の人物を主人公に据えた作品。チャンバラや忍者の暗躍は無いが読み応えがあった。福井藩の松平春嶽の立ち位置や何故坂本龍馬が暗殺されたかなど経緯が意外とわかりやすくて、初めて理解できたことも多かった。2019/06/02
suma2021
7
幕末の仙台藩に現れた俊才、玉虫左太夫の歴史小説です。下級武士でありながら、先見性や能力があることで、多くの人に引き上げられる。しかしながら奥羽越列藩同盟は理念はあっても、寄せ集め集団では大きな歴史を揺るがす戦いには勝てないところがもどかしい。優秀だが歴史に埋もれるような人も小説だからこそ心の響くように描かれるのだろう。2023/03/11
てぃと
4
激動の幕末時代に身分制度やお偉方の保身のために如何に有能な人材が埋もれていったのか、計り知れないものを感じました。そして、玉虫佐太夫の47年間の人生の終わり方が、何とも切なく、やり切れません。アメリカの制度を目の当たりにした彼が生きていれば、きっと今以上に名を遺していただろうと信じたいです。2022/06/02
kamakatsu
4
下巻。奥羽越列藩同盟の結び付きが脆いものであったことは知っていたが、どんな状況であっても、何名か集まれば必ず反発するものが現れる。結局西郷隆盛も新政府に見限られる。実働部隊が報われないのは、いつの時代も変わらない。2019/11/25
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