内容説明
新宿・舟町の住宅街にひっそりと佇む深夜営業の「新宿本姫図書館」。本を返す時には必ず別の本を添えなければならないという奇妙なルールがあるこの館には、人間でないものばかりが訪れる――。人間の身でありながら、訳あって本姫図書館で働くことになった末花詞織。生真面目な館長代理の牛込山伏町カイルとともに、今夜も化け猫や化け狐などの新宿妖怪を相手に奮闘するが!? 気弱な司書と新米館長代理が紡ぐ、優しいもののけ図書館物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
57
カイルの不勉強のおかげで、図書館司書に対する知識がおおまかに得られるようになっている。なんだかんだあっても詞織さんの肝の座りっぷりには感服するばかりである。シリーズ化するといいなぁ。2019/04/12
スズ
55
「返却時には別の本を添えて下さい」―そんな変わった規則のある妖怪専門の図書館に訳あって就職した司書の末花詩織と、本を愛するものの現代図書館の知識に疎い館長代理のカイルが利用しやすい図書館作りに精を出す妖怪もの。返却時の寄贈本による蔵書の入荷、パソコンもなく検索システムもないアナログ仕様の蔵書検索等、旧態依然とした本姫図書館に戸惑っていた詩織の図書館改革が面白く、図書館学を勉強する中詩織に撫でられてゴロゴロ喉を鳴らすカイルの二人がナイスコンビ。本の奥付に貼られたカードで本の貸出をしていた時期を思い出しました2019/06/01
一華
39
新宿の片隅にひっそりと建つ妖怪専用の本姫図書館で、人間なのに司書として働くことになった詞織と館長代理のカイルとの、ある意味お仕事成長物語。図書館の仕組み、そして個性溢れるもののけたちとのやりとりが楽しかった。2019/08/15
よっち
33
予算減で非常勤司書契約を切られた末花詞織。見つけた再就職先は新宿・舟町の住宅街にひっそりと佇む深夜営業の「新宿本姫図書館」。人間でないものばかりが訪れる妖怪専用図書館で館長代理のカイルとともに図書館を変えてゆく物語。最初はいろんな意味で未整備の勝手が違う図書館運営に戸惑いながらも、今まで得た知識を活かしてカイルとともに図書館をより良くすべく、化け猫や化け狐などの新宿由来の妖怪を相手に奮闘する詞織。実は意外に図太い彼女とカイルは組み合わせとしてはなかなかいいコンビですよね。続刊あるならまた読んでみたいです。2019/05/26
あゆみ
31
★★★★★ 著者と表紙に惹かれて購入!司書の再就職先は妖怪専用図書館という、好みの設定が詰め込まれた作品で嬉しい。新米館長代理のカイルは真面目で、司書業務の経験がある詞織から学んで図書館の経営をより改善していきたいという意欲が伝わってきて微笑ましい!図書館の館長の本姫もかっこよくて好き!本姫図書館の「借りた本を返す時には必ず一冊、どんな本でもいいので別の本を添えなければならない」という貸出ルールが現代のルールと違っていておもしろい。→2019/05/07