内容説明
純文学作家「色川武大」=阿佐田哲也が戦後の焼け野原を舞台に描く、本邦ギャンブル小説の最高峰!
終戦直後、焼け野原の上野のドヤ街で「ドサ健」と出会い、一気に博打にのめりこんだ主人公の「坊や哲」。
チンチロリンや麻雀の技、いかさまの腕を磨いた哲が「出目徳」や「女衒の達」「上州虎」ら仕事師と渡り合い、生き残りをかけて激闘する阿佐田哲也のピカレスクロマンの最高傑作!
解説・先崎学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kajitt22
49
『怪しい来客簿』を再読、何かが響いたのでこちらを。映画の和田誠独特のタッチは記憶にあるが本はたぶん初読。戦後すぐ、焼け野原の東京に生きる無頼の博打うち達。希望や愛、美しいものは何もない、ただ勝負に勝つのみ。。個性ある博徒達に比べ、著者の分身「坊や哲」の冷めた視線が良い。そしてやはり文章が良い。最初の数ページで昭和20年秋の東京を歩いているようだ。数十年麻雀牌は握ってないがもう一度やってみたくなった。2023/12/20
ホークス
47
再読。色川武大こと阿佐田哲也の半自伝。ヒリヒリと渇き、小説の苦手な私でも読める。好敵手のドサ健(映画では鹿賀丈史)が言う。「平和なんてこの世にあるものか」「俺たちが、豚みたいにじゃなくて生きてくためには、自分流儀の生き方を頑固に作る必要がある」。舞台は敗戦直後のアングラだけど、人の世の真理をドサ健は言い当てている。米兵カジノのママ(同加賀まりこ)も、手練のイカサマ雀士(同高品格)も、ドサ健との巣を望む恋人(同大竹しのぶ)も、強い自負と覚悟でシビれさせてくれる。差別や下品のリアルさは著者らしい誠意だと思う。2023/06/11
reo
36
昭和55年頃、2度のオイルショックを乗り越え日本の景気は右肩上がりで絶好調。日本人全員が明日の生活は普通に保証されているという、妙な信仰めいた気持ちと、独特の高揚感に満たされていた。それは平成3年のバブル崩壊の少し後まで続く。僕ら営業系サラリーマンは、今日の晩は飲み、明日の夜は麻雀、明後日は飲み。週に一度はゴルフ、その後同じメンバーで卓を囲むなどという暮らしぶりだったような。昼間は無茶苦茶仕事をしたが、その仕事にオフは無く全てが仕事だった。嫁よ子よ許せ。お父さんは忙しかったのだアハハ。何度読んでも面白い。2017/12/24
tom1969
25
昔観た映画の記憶が鮮明に戻った。麻雀に夢中だった学生時代が懐かく、阿佐田氏は神であった時代である。その結果は留年でしたが。軽い自慢は、『九連宝燈』は2回経験した(わからない人はなんのこっちゃですが)。次は「風雲編」に進みます。若干やさぐれてます。2016/10/21
やっちゃん
22
昔漫画で読んでかなりハマった作品。漫画とだいぶ設定が違いドサ健や達も主人公っぽかった。出目徳さんの最後の扱いが雑過ぎて泣けた。九蓮あがると死ぬ由来はこれか。漫画版が良すぎるだけにハードル高いけど続編に期待。明日は晴れるかなあ。2021/06/07
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