内容説明
世界史とは、人類の草創期から長い年月をかけて、さまざまな「民族」がぶつかりあってできた“移住・衝突・融合”の歴史である――。21世紀の世界を悩ませる戦争と内乱、グローバリズムとナショナリズムの対立、なくならない人種差別、多くの国を揺り動かす移民・難民問題の本質を読み解くカギ、そして今後の日本と世界の未来は「民族の動き」に注目してこそ見えてくるのだ。本書は、ベストセラー『30の戦いからよむ世界史』の著者である予備校の元世界史講師が、古代地中海の覇権争いから、トルコ系民族のユーラシア席捲、アラブ人が築いたイスラム・ネットワーク、多民族国家 ロシア(ソ連)の形成、征服王朝により拡大した漢民族の概念など、今の世界を形づくった“民族移動”のダイナミズムを20のテーマから講義していく。日本人に最も必要な“歴史の視点”がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
民族のフィルターを通して世界史をなぞるような感じで見れます。アルメニアとトルコが面白かったです。2022/12/06
スプリント
10
歴史が動くところに民族の移動ありということがよく理解できる内容になっています。2019/08/14
乱読家 護る会支持!
5
民族の移動、拡大の視点でみた世界史。 さて、本書、、、様々な民族を取り上げることで、帰納法的に著者が気づいた事が沢山あると思うのだが、著者はそこまでは踏み込まず歴史参考書の範囲にとどめている。 僕は、これから移民増えてくる事は歴史の必然であり、日本人は「国家とは何か」をWGIPから解放された頭でそれぞれが考える時期と思います。2019/05/21
ta_chanko
2
数ある「民族の世界史」本の中でも、かなり詳しく分かりやすくまとめてある本。一通り世界史の通史を学んだ上で本書を読めば、より理解が深まる。特にアルメニア人やドイツ人の部分は勉強になった。2019/06/11
dahatake
1
民族の観点でのおおまかな世界の政治史を理解するのに物凄く良かった。 興味深いのは、ノルマン人とトルコ系民族。実は彼らの動きが、ヨーロッパや中央アジアとロシアの国家形成に影響があったのではないか、という話。これは全然気づかなかった。 ヨーロッパに偏りが多い中、中国やイスラム教の広まりの観点からよく南アジアの民族の動きも面白い。 根本には「生活」があるのだと思う。それらと絡めるとこで、より地に足のついた人々の動きの歴史が辿れる気がする。2022/10/18