キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2

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キッシンジャー 1923-1968 理想主義者 2

  • ISBN:9784822255954
  • NDC分類:289.3

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内容説明

「ケネディとニクソンほど、その運命が対照的だった大統領もいないだろう。一方は暗殺により道半ばにして斃れ、他方は辞任で屈辱にまみれた。両者は、アメリカの政治において対極的な位置付けにあると言えよう。
ところが奇妙なことに、この二人のどちらにも仕えた男がいるーーヘンリー・キッシンジャーだ。」(本書13章「柔軟反応戦略」より)

キッシンジャーから懇情され、一旦断わったものの、膨大な私信・資料を見せられてファーガソンが引き受けたキッシンジャー公認の評伝。ファーガソンが10年がかりで完成させた大作。
ハーバード大学の少壮教授となったキッシンジャーは、核戦略・外交の専門家として共和党の大統領候補ネルソン・ロックフェラーの外交顧問となり、転じてケネディ大統領、ジョンソン大統領の密使としてパリを舞台に北ベトナム代表との間でベトナム戦争の秘密和平交渉に関与する。
前期キッシンジャーの思想と行動を膨大な資料から浮き彫りにする。

目次

第三部
第十二章 教授と政策
第十二章 柔軟反応戦略
第十四章 人生のつらい現実
第十五章 危機
第四部
第十六章 ベトナムへの道
第十七章 おとなしくないアメリカ人
第十八章 風にもてあそばれる塵芥のように
第五部
第十九章 アント・ビスマルク
第二十章 ハノイを待ちながら
第二十一章 一九六八年
第二十二章 ありそうもない組み合わせ
終章 自己形成の物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

31
ロックフェラーNY知事やケネディ大統領の顧問となり、ついにニクソン政権の国家安全保障担当大統領補佐官になるまでが描かれる第2巻。とはいえ本巻は、ベトナム戦争に多くのページが割かれている。アメリカがそうであったように、キッシンジャーもまた、ベトナムという泥沼に足を絡め取られていく。ただ、著者のファーガソンが終章で言うように、本書がキッシンジャーの自己形成の物語であるとするならば、ベトナムでの体験もその後のキッシンジャーを形成する重要な出来事となるのだ。(つづく)2019/06/28

BLACK無糖好き

23
原著は2015年刊。キッシンジャーが1968年に、当時のニクソン大統領から国家安全保障問題担当大統領補佐官に指名されるまでの半生を辿る評伝。キッシンジャーの自己形成過程が描かれる点は非常に興味深い。冷戦期の物は、なるべく現代の感覚を一端脇に置いて当時の時代背景を念頭に置いて読み進めるようにしているが、読んでるうちに昨今のアメリカの安全保障政策の混迷さが頭をよぎり余計に疲れる。特にキッシンジャーが直面したベトナム問題に関するアメリカ政府の意思決定プロセスの欠陥は、現代の感覚にも近いものがありそうだ。2020/01/05

12
内容をもっと理解したくて、図書館に返さずに再読。二度目だけど更に面白かった。キッシンジャーの前半生とベルリン危機、キューバ危機、ベトナム戦争の泥沼化がオーバーラップして興味が尽きない。米国政府の判断の甘さについてキッシンジャーが批判を展開する。ところが、政治判断の全てが表に見えている訳では無いことも描かれ、理想主義と現実主義の狭間で高度な政治判断とはどのようなものなのか、著者の考察も進んでいく。ケネディ、フルシチョフ、ドゴール、ジョンソンの政治判断も描かれ、解答の見えない国際政治の神髄に触れる感じだった。2024/04/09

12
面白かった。ニクソン政権の大統領補佐官になるまでの前半生。ベルリン危機やキューバ危機、ベトナム戦争を政権の外から批評したり、支援したりしている。ベトナムには直接赴き精力的に現地視察を行い、複数あった北ベトナムとの秘密交渉の一つを推し進めることもしている。本著では並行して米国政府内のゴタゴタ振りも描かれており、パクスアメリカーナと言われた政府の内実も分かる。結局、大統領はスーパーマンではないという事だ。キッシンジャーはカントを研究したこともあるそうで、引用された文章が難しかった。再読したい気がする。2024/03/15

Jack Amano

7
かなり長い本ですが、2巻本の2冊目のこちらの方が1よりもずっと面白いです。キッシンジャー氏が政治に関わり始めたころからの話なので、臨場感もあります。ニーアル・ファーガソンという著名歴史家の手による評伝であり、キッシンジャー氏公認ということもあり、これまでにはない非常に深い内容だったと思います。キッシンジャー氏には批判的な人も多いが、個人的には信奉していることもあり、かなり勉強になった。氏公認とはいえ、賛美ばかりしている訳ではなく、公平に評価しているようにも見えます。氏もファーガソン氏も好きなので外せません2023/05/23

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