内容説明
中国史上、唯一の女帝に上り詰めた則天武后(武則天)の生涯を描く歴史小説!
稀代の悪女か、それとも叡智に富む賢帝か――。唐代初期、武将で材木商の父のもとに生まれた武照(後の則天武后)は、いかにして後宮から、帝にまで上り詰めたのか。
複雑怪奇な宮廷の権力争いの中で、様々な謀略、知略を駆使して次第に権力を握っていく過程を、鮮やかな筆致で描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
256
三大悪女の一人に数えられる御方の話。とても聡明な幼少期から、才人として入内するまでは、ただの出来る女風なのが、急に自分の赤子に濡れ布巾を被せて殺しだしたあたりから、一気に覚醒を見せる。本当にいきなり何の前触れも躊躇もなく殺人場面が描写されるので、なかなかインパクトが大きかった。李世民以外の皇帝や皇太子のボンクラぶりも凄まじく、どこぞのチンピラさんが多重債務者の恋人に無理矢理連帯保証のサインを書かせるのと同じノリで、武照が印璽をかっさらっていく様は、少しデフォルメが過ぎる気がする。下巻も楽しめそう。2023/02/22
starbro
167
塚本 青史は、新作中心に読んでいる作家です。則天武后は、知っていますが、則天武后が主人公の物語は初めてでした。利発で可憐な乙女が、ここまでの美悪女に豹変するとは・・・ 続いて下巻へ。トータルの感想は、下巻読了後に。2019/01/07
アキ
35
則天武后は全く知りませんでしたが、中国・唐の時代の皇帝世民の後宮に入り、皇太子李治に取り入り、智略をもって皇后になるまでが上巻の終わり。歌舞伎界を「梨園」と呼ぶことになった由来や630年第1回遣唐使、645年天竺から玄奘三蔵が仏教の経典を持ち帰る、659年新羅と唐が百済に侵攻することなど、日本史を中国側からの視点で見るのが新鮮。それにしても武照のやり口は残忍で容赦がない。それをこの著者は淡々と書いている。そういう作風なのだろうか、やや盛り上がりに欠ける感じが否めない。下巻で白村江の戦がどう描かれるか楽しみ2019/02/17
aloha0307
26
唐王朝草創期 中国史上唯一の女帝となった則天武后 日本史はかなり読み込んでいると自負も、世界史はてんでダメ。背景知識皆無も何とか通読 登場人物の多さには? 名前の表記が複数なのも難読を助長だったなあ(こりゃ早く下巻にいかないと)。邪魔者と見做せば、肉親、忠臣であっても容赦なく消されていく...可憐な少女時代から一転 恐ろしや...2019/02/16
なにょう
24
怖いよぉ。権力闘争ハンパ無いよぉ。唐王朝打ち立てる功労者、李世民の後宮に入った武照。皇太子治と通じ、李世民の死後、皇帝となった治の宮廷に入る。ここから自分の目的のためには容赦ない武照の本領が発揮される。★もうホント怖いから。一国の主になるくらいだから。2019/01/10