内容説明
中国史上、唯一の女帝に上り詰めた則天武后(武則天)の生涯を描く歴史小説!
唐の太宗の後宮から、その息子、李治(高宗)の後宮に入った武照(則天武后)は、権謀術数の限りを尽くし、ついに帝国の頂点にまで上り詰める。その治世に何が起きたのか――。
どん底生活から帝へ――。波乱万丈の生涯を送った女帝の生涯を描く歴史大作は、いよいよクライマックスへ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
260
いよいよ位極まる下巻。その実、内容の大半は武則天の実家のドロドロダメダメぶりを愛でるためのもので、ここまで振り切ってくると清々しい。次々に現れる縁故者や追従者が、ことごとく残念な人たちで、弑して廃して流してのオンパレード。お母さんまで色惚け近親相姦に耽ってしまえば、そりゃ、どんな人でもやさぐれる。善氏は本当においしいキャラクターだった。登場人物全員、性欲のストライクゾーンがバグっていて、そこにばかり目がいく。実際、著者は武則天の何を描きたかったのだ?と本旨が見えないレベル。まぁ、面白かったのだけれど。2023/02/22
starbro
172
上下巻、720頁超、完読しました。欲に塗れた悪人ばかりがたくさん登場し、やりたい放題、本当に則天武后の時代はこんなに酷い状態だったのでしょうか?中国史上、唯一の女帝、長期政権で暗殺もされていませんので、清の西太后の様に貶められたのかも知れません。中華の回転テーブルは、則天武后の発案だとは知りませんでした。2019/01/08
アキ
40
白村江の戦いは倭軍が唐の戦略にはまり海戦で早々に決着した。唐から見て新羅が刃向かった時に倭と組んでもいいけど高句麗制圧が先だし契丹も突厥もあるなか倭に攻め込むのは何のメリットもなかったんだね。それにしても武后は相変わらず息子殺し、愛人殺し、李一族殺しと何でもあり、悪を一度行うと悪の上塗りでないと辻褄が合わなくなる。何の罪もない前皇妃の四肢を切断し酒櫃に沈めたこととか考えると殺されずに天寿全うしたのが奇跡だと思う。女帝はこの時代日本にもいたが、ここまで権力に拘りしかも60過ぎてから性愛に目覚めるって想像外。2019/02/19
Book Lover Mr.Garakuta
19
対人関係が難しかったが、頭の中での整理が出来れば、解り易く平易に読める本だが、注目点としては権力という二文字に着目すれば面白いかと、半分どろどろとした人間関係に驚愕する。2019/07/28
hideo
18
昔読んだ「史記」を読み直して下巻へ。権力者だから恐ろしいのか、武照という女性が恐ろしいのか?権力から離れたときの恐怖から権力を守ろうとして正確な判断が下せなくなる。そのとりまきもしかりか?歴史小説としてはスケールが世界観がなくスケールが小さい気もするが面白く読めた。2019/08/23